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The Gerogerigegege
>(decrescendo)
The Trilogy Tapes
- Cat No: TTT088
- updated:2025-04-15
デッドストック。THE GEROGERIGEGEGEのニューリリースがTHE TRILOGY TAPESから。CEでカセットで販売されていたものがアナログ化。
今年の夏に宮沢賢治先生の童話(絵・茂田井武先生)、「セロひきのゴーシュ」(1934年/絵 1956年)を読みました。
ちょうどこの録音をした数日前にぼくはステージに立っていました。結果的に物語最初のゴーシュのような心境にならざるを得ないことになってしまいました。とても良い感情ではないけれど、それにしても手元に置かれているこの本は偶然ではないと思いながら又何回もこの本を読み茂田井先生のたぬきの子の絵を何度も見て夜明け前の公園に向かいました。
使った楽器はハピドラムひとつでスティックはそのたぬきの子が持っているものとそっくりなマレットです。このハピドラムは僕の友人が購入し、セッションに加わった時にぼくがこの楽器の担当になりぼくが考えたこのリズムとメロディを彼がとても気に入ってくれ、この楽器を預かることになりましたが、2018年彼は逝ってしまいました。
タイトルの音楽記号デクレッシェンドはだんだん小さく。物語に合わせるならば逆かもしれません。しかし、この本に出てくるゴーシュ以外の存在こそがゴーシュを作っていった事実だけを演奏するため、ハピドラムを他の全ての音(カラスや虫の音、手前にあった池でカエルが飛びはねる音、夜が明ける中散歩をする人の歩く音など)よりもどんどん小さくしてしまいました。ぼくのこの偏屈さは結果的にゴーシュの持つ側面と重なってしまいました。夜開け前、月が出ていた夜はまだ明けないだろうと演奏していましたが、演奏を終えると夜は完全に明けていました。これも意図的ではありませんが、まさに夜明け前から夜が開ける絶妙な時間です。ハピドラム以外がいわゆる主人公の曲ですが、まさかそんな貴重な時間が演奏主人公になってくれる事までは予想をしていませんでした。
そして、再びこの作品に奇跡は起こりました.....(抜粋)
2019年9月
山ノ内純太郎
絵・茂田井武「セロ弾きのゴーシュ」(福音館書店)より1956年
ちょうどこの録音をした数日前にぼくはステージに立っていました。結果的に物語最初のゴーシュのような心境にならざるを得ないことになってしまいました。とても良い感情ではないけれど、それにしても手元に置かれているこの本は偶然ではないと思いながら又何回もこの本を読み茂田井先生のたぬきの子の絵を何度も見て夜明け前の公園に向かいました。
使った楽器はハピドラムひとつでスティックはそのたぬきの子が持っているものとそっくりなマレットです。このハピドラムは僕の友人が購入し、セッションに加わった時にぼくがこの楽器の担当になりぼくが考えたこのリズムとメロディを彼がとても気に入ってくれ、この楽器を預かることになりましたが、2018年彼は逝ってしまいました。
タイトルの音楽記号デクレッシェンドはだんだん小さく。物語に合わせるならば逆かもしれません。しかし、この本に出てくるゴーシュ以外の存在こそがゴーシュを作っていった事実だけを演奏するため、ハピドラムを他の全ての音(カラスや虫の音、手前にあった池でカエルが飛びはねる音、夜が明ける中散歩をする人の歩く音など)よりもどんどん小さくしてしまいました。ぼくのこの偏屈さは結果的にゴーシュの持つ側面と重なってしまいました。夜開け前、月が出ていた夜はまだ明けないだろうと演奏していましたが、演奏を終えると夜は完全に明けていました。これも意図的ではありませんが、まさに夜明け前から夜が開ける絶妙な時間です。ハピドラム以外がいわゆる主人公の曲ですが、まさかそんな貴重な時間が演奏主人公になってくれる事までは予想をしていませんでした。
そして、再びこの作品に奇跡は起こりました.....(抜粋)
2019年9月
山ノ内純太郎
絵・茂田井武「セロ弾きのゴーシュ」(福音館書店)より1956年
自然の音との調和。C40の音源がTHE TRILOGY TAPESからアナログリリース。ちょっと長いですが、裏ジャケットに記されている本人の言葉を引用しました。この作品の魅力が伝わると思います。是非目を通してみてください。(サイトウ)
スリーヴの角に若干の痛みがあります。