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DJ Sprinkles Aka Terre Thaemlitz
Midtown 120 Blues
Comatonse
- Cat No: C.022
- updated:2024-11-15
DJ SPRINKLES 2009年の名作アルバム「Midtown 120 Blues」がバイナルポーチに入った新装パッケージでCOMATONSEから再リリース。
『ハウスミュージックは音と言うよりも情況です。
100枚以上のレコードの中にナレーターが「ハウスとは…?」って言うのを聞くかもしれない。答えはいつも安いメッセージカードに書いてあるような「ライフ、ラブ、ハッピー」ばっかり… ハウスネーションはクラブが不幸から逃れるられるオアシスのようにいうけど、不幸は私達と一緒にある。‥もしあなたのファッション(服装)でクラブに入る事が出来れば、ね。ニューヨークに住んでいた時のある出来事を思い出す。有名なロフトというクラブに入れてもらえなかったことがあった。まさに入口で入場を断られているその時、中から私の(作曲した)レコードがかかっているのがきこえた。嘘じゃない。
あなたが一時的に逃れようとした物がなにか忘れないで。結局、ハウス・シーンができたのも、ここにあなたがきたのも、逃れたい何かがさせたことだから。ハウスは普遍的じゃない。ハウスは超限定的な物。例えばイーストジャージー、イーストビレッジ、ウエストビレッジ、ブルックリン… その場所だけにあるサウンドとビートとか。当時のニューヨーク・ダンスフロア自体の音について言うと、今「クラシック」と呼ばれる曲がかかるのを時々聴いたけど、すべてのクラブでかけられていたほとんどの曲はクソなメジャーレーベルのボーカル曲ばっかりだった。他の人があなたになんて言ったかなんて知らない。その上、ニューヨークのディープハウスはミニマル、ミドルテンポインストロメンタルとして始まったかもしれないけど、レコード会社のディストリビュター達がもっと売れやすいボーカルハウスを要求し始め、そのうち「ストリクトリー・リズム」(「リズムだけ/ボーカル無し」の意味)というレーベルでさえ、ボーカルばっかりの曲を次から次へとリリースして自らの名前にさえ背いた。ヨーロッパの人のほとんどは、まだ「ディープハウス」が下手な、ハイエナジーの、ヴォーカルありの音楽を意味すると思ってる。
それならば、ニューヨーク・ハウス・サウンドは何だったのか。ハウスミュージックは音と言うよりも情況だった。多くのDJ(自分のようなDJ)は名も無いクラブの名も無い人々、誰も聴かない、お金も払われない、ものだった。シルヴェスターの歌詞の中に「誰でもスターである」っていう言葉も「何も持っていない私」っていう言葉もあるけど、現実は後の方。
20年経って、メージャーディストリビューションは私たちに「クラシックハウス」を与えている。ハリウッドが作ったベトナム戦争の映画のサウンドトラックから「クラシック・ロック」を与えたのと同じ方法で… ディープハウスが出現した背景が忘れられていく:セックスとジェンダーのアイデンティティー崩壊、トランズジェンダー娼婦、闇ホルモン剤市場、麻薬とアルコール中毒、孤独、人種差別、HIV、ACT-UP(エイズ解放連合)、トンキンズ・スクエアー公園の暴動、警察の蛮行、ゲイ・バッシング、低賃金、失業、検閲… すべて毎分120のテンポで。
これはミッドタウン120ブルーズです。』
CD in archival vinyl pouch with double-sided insert card (100mm x 100mm), phonograph style anti-static inner sleeve, and 4x4 panel poster insert printed on newsprint (472mm x 472mm)
テーリ・テムリッツ氏のDJ SPRINKLES名義の2009年MULE MUSIQからリリースされresident advisor 2009年アルバム年間チャート NO1にも選出された名作アルバムが新装パッケージで〈COMATONSE〉から再リリース!!
「光と闇が同居したNYCのアンダーグラウンドなハウス・シーンに身を置いていたTERRE氏のHOUSE DJとしての側面の作品がリリースされました。COMATONSE作品で彼に出会った、ハウス・ミュージックのディープサイドにつかった人にとって、このアルバムは間違いなくスペシャルなものになるでしょう。消えつつあるカルチャーの舞台となった、敢えてその世界の闇にスポットを当てたこのアルバムは、まるで、BPM120で刻む人生そのもののような、ビューティフルな作品だとおもいます。全てのダンス・ミュージック・ファンに手にして欲しい一枚です。」 (サイトウ)