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Transcendence

  • Cat No: ASH313
  • 2020-08-17

〈WARNER BROS.〉在籍時の最後のスタジオ録音作であり、アリスコルトレーンのある種の到達点でもある77年作。ひたすらに美しい魔法のようなハープ、そして幸福感と高揚を誘う賛美歌が眩しく輝いている素晴らしいアルバム。プレイヤーとしてではなく作曲家、アレンジャーとしての才能を発揮した広い幅の層にお勧めできる作品です。アリスコルトレーン入門の一枚としても良いかもしれません。

A面とB面で方向性が違う作品でありますが、多重録音もされたジャズとは離れた作曲作品となります。A面はアリスコルトレーンは全曲ハープを弾いていて、A2では自身によりタンブーラ、タンバリン、ウインドチャイムなどをオーバーダブしているようです。細部に渡ってアレンジが凝っているものでかなり完成度も高いもの。A3のタイトル曲の展開も秀逸でその世界観に引き込まれてしまう。シリアスでスピリチュアルなA面に対し、B面ではタンバリンとクラップで軽快なリズムに乗るゴスペルにも近い歌声に幸福感を感じていくようなもの。夫JOHN COLTRANEの影響もあり東洋の思想に傾倒していったアリスコルトレーンがスピリチュアルな音楽を突き詰め、その先にゴスペルと融合していくというのも必然だったのかもしれません。Transcendence(超越)というタイトルもしっくりくるような、夫の死から様々な音楽を経て到達したアルバムです。 (日野)

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