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Alice Coltrane
Eternity
Antarctica Starts Here
- Cat No.: ASH311
- 2024-05-16
〈IMPULSE〉から〈WARNER BROS.〉に移り初めてのリリースとなる76年作Eternity。デビュー後、ジャズやオーケストレーション、ゴスペルまでをも試してきたALICE COLTRANEの貫禄のあるアレンジ力、演奏に驚きです。
Track List
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始まりも終わりもない、自然発生する音楽。小杉武久らによるタージ・マハル旅行団はこの時すでに完成されていることがわかります。楽器は楽器らしく演奏されることがなかったり、所謂音楽的ルールにハマることなく、個々が立ちながら皆で一つとなっている渾然一体とした集団即興の理想形。ピュアであり本能的であり神秘的。こんな音楽はもう生まれることはないんだなと思います。 (日野)
77年の名作「Two Solo Pieces」が96年にCD化された際に追加された未発表曲だったアーサー・ラッセルもチェロで参加した「Song I」や「Melody IV」、「Melody III」に加えさらに未発表の録音を加えたダブルパック。JULIAS EASTMANやPETER ZUMMOも参加したTHE KITCHENでの録音や、「SONG I」と同日のサックス・ソロ、NEW JAZZ ENSENBLE、ライヒやフィリプ・グラスとの活動を経て73年にソロで録音した初期録音「Melody」など貴重かつ素晴らしい音源。 (サイトウ)
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LEE PERRY関連のマスターピースとして語り継がれるCONGOS伝説の”Heart Of The Congos”のセッションを終えようとしていた時期に、コンゴ民主共和国のミュージシャンデュオが、謎の経緯でLEE PERRYのBLACK ARKスタジオを訪れる。セケ・モレンガ(Seke Molenga)とカロ・カウォンゴロ(Kalo Kawongolo)共にシンガーでギタリスト。アフリカンミュージックとLEE PERRYのダブが出会い。ビートボックスもフィーチャーした「African Roots」筆頭に、リンガラ、今後ルンバとレゲエがミックスされた魅惑のサウンド、グルーヴ。LEE PERRYのダブ、ミックスの革新性も魅力。音源はISLANDに渡るもCONGOS同様リリースを見送られ、後の79年にフランスのアフリカン・ミュージックのレーベル〈SONAFRIC〉からリリースされる。 (サイトウ)
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A面とB面で方向性が違う作品でありますが、多重録音もされたジャズとは離れた作曲作品となります。A面はアリスコルトレーンは全曲ハープを弾いていて、A2では自身によりタンブーラ、タンバリン、ウインドチャイムなどをオーバーダブしているようです。細部に渡ってアレンジが凝っているものでかなり完成度も高いもの。A3のタイトル曲の展開も秀逸でその世界観に引き込まれてしまう。シリアスでスピリチュアルなA面に対し、B面ではタンバリンとクラップで軽快なリズムに乗るゴスペルにも近い歌声に幸福感を感じていくようなもの。夫JOHN COLTRANEの影響もあり東洋の思想に傾倒していったアリスコルトレーンがスピリチュアルな音楽を突き詰め、その先にゴスペルと融合していくというのも必然だったのかもしれません。Transcendence(超越)というタイトルもしっくりくるような、夫の死から様々な音楽を経て到達したアルバムです。 (日野)
A面はヒンドゥー教の祈りの歌であるbhajansをアレンジし、アリスコルトレーンが設立したVedantic Centerという学校の生徒が参加した曲をA1,A2,A3に収録。音楽的に尖っていくというよりも優しさに満ち溢れたような安心感のある曲たちであり、音楽的な楽しさ、幸福がたくさん詰まっています。A2のタンブーラとハープを合わせた3分弱の曲も美しく息を呑む素晴らしさ。そしてB面は以前のようにオルガンでのセッションとなりますが相手はなんと13歳の息子。たどたどしいドラムを引っ張っていくアリスの演奏が微笑ましくもある。分かりやすくかっこいいテーマも聴きどころ。同時に発売されたアリスコルトレーン諸作と合わせての購入をお勧めします!tracklistから全曲試聴可。 (日野)
再発盤も現在は入手が難しくなっている〈SUPERIOR VIADUCT〉から再発された1stアルバム「The Long String Instrument」(85年)に続いて、87年にカセットでセルフリリースされた「In The Sea」、「Work For Four Players And 90 Strings」が2LPとして1作品にまとめて再発されました。波を漂うように倍音が重なり変化していく、飽きることなく聴き続けることのできるドローンが本当に素晴らしい。多数の自作楽器を作り、微分音での作曲をしたHARRY PARTCHに影響されてこのロングストリングインストゥルメントを作ったということですが、それが全く違うアウトプットとして現れているのも面白い。推薦盤です。 (日野)
このレコードが発売される1年前に発売されたコルトレーンプロデュースのARCHIE SHEPPの作品「Four for Trane」(コルトレーン作曲が4曲)をもじって作られた作品。MARION BROWN作曲したA面、ARCHIE SHEPPが作曲した3曲(作曲のみで演奏はしていない)をB面に収録。テーマからの逸脱が先の先まで行くとんでもない突っ込んだ演奏で、しかもユーモアも含んでいてずっと聴いていたくなるようなもの。特にA1の即興まわしのスピード感もよく、ドラムソロ終わりからのテーマに戻る瞬間が鳥肌もの。そこからA2(貼り付けているYouTubeの曲)のうっとりするような感動的なテーマへの繋がりも素晴らしく、アルバムのハイライトの一つ。レコードでの再発は約40年ぶり。少量入荷です。 (日野)
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時間がゆっくりと流れているような儚くささやかな音で構成されたAサイドでは、ピアノをメインに使ったもの。逆再生されたピアノの音にバッハの曲の断片をミニマルに演奏していくものや、ゆっくりと重なり合うカウンターテナー歌手(男性が女声に相当する高音域を歌う)の歌声とのピアノの絡みが極上。Bサイドはオルガンとヴァイオリン、ヴィオラによる21分の長尺ドローン。オルガンとヴァイオリンとの音程の揺れが心地よく、不協和音さえも透き通ったような響きをしています。 (日野)
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同レーベルから同時に発売されたELLEN FULLMANはピアノ線を長く引き伸ばし、松脂を塗った指で弦を滑らせながら演奏しふくよかな煌く倍音を聴かせていきますが、TERRY FOXは同じピアノ線でもやはり表現は全く違います。A面ではチェロを使ったようなドローンが、ELIANE RADIGUEのピュアさ不穏さを兼ね合わせた素晴らしいテープフィードバックサウンドを連想させます。その後に優しいタッチでリズミックに倍音を響かせ、それがだんだんとワイルドに弦を震わせていきます。続くB面(sample1)ですが、弦の揺れる残響音が本当に驚き。完全に電子機器を使ったエコーサウンド。かなり長いピアノ線だからこそ生まれるアコースティックで美しい響き。 (日野)
オリジナルは80年にカセットで発売され、その翌年にレコードでリリースされた今作。ギターの残響音とシンセサイザーの神秘的でNEW AGE、アンビエントな響きの曲やドラムマシンにセッション的に重ね合わせていき、変わった裏声をダブ処理したようなアプローチなどしていたりしていてとても面白い。ギターにショートディレイをかけて水の滴りのような実験的な曲なども混在していて、衝動をそのままパッケージした輝きがあります。CHRIS & COSEYやTHE NORMALなど好きな方にお勧め! (日野)
マイルスの影響から楽器がエレクトロニックになり、69年にリリースされたジャズファンク方面へと変貌したレアグルーヴクラシック「Fat Albert Rotunda」、その後HERBIE HANCOCKセクステットとして初のアルバム「Mwandishi」(71年)がリリース。そのセクステットの2枚目としてリリースされたのがこちら。冒頭から左右で無秩序のように鳴るカウベルとウッドブロックに絡んでいくフリーキーなドラムとシンセサイザーがいきなりぶっ飛ぶサウンドであり、その後ハービーハンコックが加わってから秩序の元24分にも及ぶ緊張感あふれる大名演を繰り広げる「Sleeping Giant」最高!ぶっといベースシンセが引っ張っていくファンクなビートやムーグシンセのスペーシーな飛ばし具合との相性など鳥肌もの。HERBIE HANCOCKの中でもお勧めの一枚です! (日野)
HELDONが解散した年と同じ年に発表されたこのIceland。RICHARD PINHASの創造性がバンドから完全にソロへ向かい、良い意味で主観的なリシャールワールドに連れて行かれるアルバムです。BRIAN ENOとROBERT FRIPPに影響を受けたと言われるリシャールですが、壮大なシンセワークとサステインの伸びた丸く透き通ったギターサウンドは確かに近く、しかしタイトル曲のパーカッションの入ったパートやエモーショナルなシンセシーケンス、そしてカオティックなサウンドまで交わるこのアルバムは独創性の溢れたリシャールの素晴らしさが溢れた作品であると感じます。 (日野)
アリスコルトレーンのライブアルバムはこの一枚だけのようで、基本的にはアリスコルトレーンのオルガンとベース、ドラムとのトリオでの演奏です。これまで賛美歌やクラシカルなアプローチなど様々な方向性へと挑戦していたアリスコルトレーンの原点回帰のような作品。固いパキッとしたオルガンの演奏に、刻んでは外していくようなフリーキーに絡み合うドラムとベースがすごく面白い。間に挟まれるアリス節とも言えるスピリチュアルで幻想的なピアノのソロ、B1「Prema」(sample1)のストリングスを入れた天にも昇る壮大な曲も素晴らしい。因みにBeatrice Dillonはこの「Prema」がアリスコルトレーンの中で最も好きな曲だと言っていました。ラストは片面には収まりきらない、夫JOHN COLTRANE作曲の「Leo」。たっぷりと挿入されるベースやドラムのソロが入り、最後はアリスの爆発的な演奏で〆!素晴らしい! (日野)
コズミックなサイケ度と、アフロ・スピリチュアルな度合いを深めたJAZZ FUNK時代の屈指の名曲「Ostinato」収録!ヒップホップやハウスにも通じる反復するベース&ビートの上を駆け抜けるアブストラクトなシンセ。MAFGANDA(EDDIE HENDERSON)のトランペット。ジャズ・テクノのプロトタイプといえる13分に渡る傑作!各メンバーがスワヒリ語の名前で(HERBIE HANCOCKはMwandishi)を名乗ったSEXTETでの71年の名作! (サイトウ)
テイトウワがサンプリングした事でも知られるレアグルーヴクラシックのオープニングトラック「Wiggle Waggle」や続く「Fat Mama」、クインシージョーンズもカバーした「Tell Me A Bedtime Story」など名曲ばかり。ギター、ドラム、ベースが跳ねながら裏ノリでグルーヴを固め、エレピの極上メロディに管楽器が華を添える。USの再発レーベル〈SUPERIOR VIADUCT〉の信頼の仕事。大定番です!! (日野)
LARAAJI & SUN ARAWや、灰野敬二、OREN AMBARCHI、STEPHEN O'MALLEYのトリオ「NAZORANAI」など、〈SUPERIOR VIADUCT〉が現行のアーティストに絞ってリリースしているレーベル〈W.25TH〉からアメリカのアングラシーンからCUBEが大抜擢リリース!ノイバウテンばりの過剰入力で歪んだインダストリアルリズミックノイズや、ポストパンクを思わせる歪んだギターに歌を乗せる曲、ダブなアプローチやピュアなシンセの曲など現代ならではの多彩なアプローチ。これまで数々のカセットをリリースしていますが、レコードでのリリースはこちらが2作目となり、過去のカセットリリースの中から選曲もして収録しているようです。全12曲、Tracklistから全曲試聴可能です。 (日野)
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ジャズという枠を大きく飛び出した名曲揃いのアルバム。オーケストラを取り入れた派手なゴスペルのような厚いコードの上でブルージーにオルガンソロを引き倒すエンターテインメント的曲のオープニングトラックがかなり印象的。続く「Wisdom Eye」という曲(sample1)ではエモーショナルにつま弾くハープが感動的な名曲。アリスコルトレーンがローズオルガンを弾き、その上で合唱される「Om Supreme」(sample2)も霊的力を持つようなオーラを発しています。1番驚きなのが最後のトラック。30名以上の演奏者でストラヴィンスキーの曲の一部を演奏していて、アルバムの中で異質ではあるかもしれませんが彼女らしいとも思える選曲。それが特にこのアルバムを特別なものにしていると思います。 (日野)