- LP
- Recommended =
- New Release
Terry Fox
Linkage
états-Unis
- Cat No.: ETAT12
- 2020-03-22
ギターのフィードバックのようで、もっと安定したオシレーターのような音が不規則に揺れ、それが電気でそうさせているというよりかはテープのカスレのような自然発生的なもののように聴こえるA1とA2。Alvin Lucierの実験のような、自然現象の側面で音を捉えているようにも聴こえてきます。しかしそれが脳を震わせるようなトリップ感もあり、ただの現象ではなく音楽的にも素晴らしい。弦楽器を使った曲では、器楽を聴かせるというよりはARNOLD DREYBLATTのように倍音にフォーカスしているように思えたり、アラームなど楽器ではないものには音楽的に聴かせるアプローチをしていたりと、天邪鬼な表現をしているところもすごく面白いと思えるポイントであると思います。 (日野)
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同レーベルから同時に発売されたELLEN FULLMANはピアノ線を長く引き伸ばし、松脂を塗った指で弦を滑らせながら演奏しふくよかな煌く倍音を聴かせていきますが、TERRY FOXは同じピアノ線でもやはり表現は全く違います。A面ではチェロを使ったようなドローンが、ELIANE RADIGUEのピュアさ不穏さを兼ね合わせた素晴らしいテープフィードバックサウンドを連想させます。その後に優しいタッチでリズミックに倍音を響かせ、それがだんだんとワイルドに弦を震わせていきます。続くB面(sample1)ですが、弦の揺れる残響音が本当に驚き。完全に電子機器を使ったエコーサウンド。かなり長いピアノ線だからこそ生まれるアコースティックで美しい響き。 (日野)