- CD+音絵冊子
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岩田茉莉江 / 柳沢英輔
うみなりとなり Uminari Tonari Soundscape of Minamidaito Island
Otobin
- Cat No: OTOBIN001
- 2000-01-01
著作「フィールド・レコーディング入門: 響きのなかで世界と出会う」も話題になっている柳沢英輔氏のフィールドレコーデング作品。沖縄、南大東島の音。ストックしています。
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ひとが表現することというのは、時に厄介で煩わしいものです。
そうしたものから離れて、ただ見通しの良い音の連なりに耳を傾けてみたい。そんな人にお勧めしたいのがこのCDです。
このCDには、南大東島で収録された環境の音や人々の生活の音が収録されています。
パンフレットには、うつくしい絵や地図とともにレコーディング時の状況や島の文化の一言紹介が載っていて、それをきっかけに南大東島に関心を持ってもらえるような作りになっています。
南大東島でのフィールドワークは、何回も、また長期に及んだことでしょう。
クレジットを読むと、苦労してやっと収録できた音も入っています。収録された島の人の話し声や生活の風物からは、八丈島からの移民がもたらした文化の混淆がほの見え、海の上で交わされた島文化の往来が感じられます。
島の人々がどのように音を聞き感じているか聞き書した記事も興味深いものです。
もちろんそうした民俗学的な側面もあるのですが、音によって島を辿っていく観光案内としてもたのしいものです。
ぼく自身は、音を名付けてカタログ的に切り取りマッピングするやり方には批判的なのですが、それでも、このCDは音自体のおおらかさが深い魅力を湛えており、マイク(聴取者)と音の関係はスタティックなままでは在りません。
タイトルや解説を見ずにただ音に耳を傾ける時、わたしたちの感覚は耳を離れてスピーカーの向こうまで彷徨い出し、名付けようのない風の匂いや季節の気配を察知し、聴くことだけが開示してみせる世界の相貌への、わくわくする想像を膨らませてくれるのです。
hofli/津田貴司(サウンドアーティスト)
ひとが表現することというのは、時に厄介で煩わしいものです。
そうしたものから離れて、ただ見通しの良い音の連なりに耳を傾けてみたい。そんな人にお勧めしたいのがこのCDです。
このCDには、南大東島で収録された環境の音や人々の生活の音が収録されています。
パンフレットには、うつくしい絵や地図とともにレコーディング時の状況や島の文化の一言紹介が載っていて、それをきっかけに南大東島に関心を持ってもらえるような作りになっています。
南大東島でのフィールドワークは、何回も、また長期に及んだことでしょう。
クレジットを読むと、苦労してやっと収録できた音も入っています。収録された島の人の話し声や生活の風物からは、八丈島からの移民がもたらした文化の混淆がほの見え、海の上で交わされた島文化の往来が感じられます。
島の人々がどのように音を聞き感じているか聞き書した記事も興味深いものです。
もちろんそうした民俗学的な側面もあるのですが、音によって島を辿っていく観光案内としてもたのしいものです。
ぼく自身は、音を名付けてカタログ的に切り取りマッピングするやり方には批判的なのですが、それでも、このCDは音自体のおおらかさが深い魅力を湛えており、マイク(聴取者)と音の関係はスタティックなままでは在りません。
タイトルや解説を見ずにただ音に耳を傾ける時、わたしたちの感覚は耳を離れてスピーカーの向こうまで彷徨い出し、名付けようのない風の匂いや季節の気配を察知し、聴くことだけが開示してみせる世界の相貌への、わくわくする想像を膨らませてくれるのです。
hofli/津田貴司(サウンドアーティスト)
〈SUBLIME FREQUENCIES〉からの、ゴングの音楽にスポットを当てたヴェトナムの中部高原の少数民族のフィールド・レコーディングの名作「Music Of The Bahnar People From The Central Highlands Of Vietnam」も製作した柳沢英輔さんと、音風景研究家、おとたまり主宰の岩田茉莉江さんによる、島の様々な音の録音と、音絵冊子の素晴らしい作品。自然が奏でる音にまさるモノはない。というと、レコード屋としては身も蓋もないけれど、音、音楽を捉えられることの喜び。自然、生活、生命の素晴らしさが音として封入されています。 (サイトウ)