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Vincent Moon
Chansons D'indonesie / Tembang Dari Indonesia
Le Saule
- Cat No.: (none)
- 2024-08-18
・ちょっと素晴らし過ぎたアルゼンチンの電子フォルクローレユニット、ルラクルサとのコロンビアルーツ音楽紀行の映像を"A traveling visual album"と言い切ったセンスにはっとさせられました。こちらはビンセント・ムーン自身がロシア連邦各地の"CHANT(声)"を録ってきた録音集。その"CHANT(声)"の音響解釈は、例えばsublime frequenciesのオルタナ感や、KINK GONG&RASHAD BAKERのような先端異ミニマル解釈と違い、さすがは映像作家ということでシネマティックで詩情的。音響だけでなく歴史や文脈も匂わせるような底に横たわるインテリジェンス、そしてそれらと言語を超えた音楽的感動といったフィールド・レコーディングの楽しみの最先端を提示してくれています。映像は各々PCで楽しんでください、といった今日的な付き合い方も提示されてる気もしますね。欧州のトラッド・フォークは素晴らしいのですが、どうしてもアフリカものや南米モノに比べて音響的なインパクトで地味に思えてしまうことがあるのですが、こういった提示の仕方もあったのかというのも発見です。様々な死角を突いた非音楽家によるドキュメンタリー。DJで早速使いましたが音もばっちりです。LPのみ。 (Shhhhh)
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インドネシアと一言いっても多言語/多民族、タイトルを聞いた時どうやってまとめるんだろうって思ってましたが、なるほどこれは彼が赴くまま旅して出会い録音、録画した場面瞬間を徒然につなぎとめたロードムービー。学術的な要素よりも、現地の音と映像そのものに驚いて繋げた現場感が伝わり、そして下手な文章の解説よりも饒舌にフォルクローレ・現象が伝わります。曲目を見るとFuture Terrorや橋の下世界音楽祭にも出演したSENYAWAや、クロンチョン(ポルトガル領の影響下で進化した世界最古のポピュラー音楽)の現役グループ、ORKES KERONCONG CAFRINHO TUGUの名前もあり、そこにいきなりバリ島のケチャが入ったり。そこを細かくクレジットしないで並べてるのもVincentらしい編集でしょう。彼はVoodoohopのフェスでもvjしたり色々繋がってますね。ロシア、ペルーに続いての一風変わった外側の不思議なフィールド作品。ワールド系興味あるけどどこから聴いてみれば?みたいな方にもこの辺からどうでしょうか。ベルギー/フランスの変わったレーベルLe Sauleからのリリースというのも面白い。末長くレコード棚に置いておきたい一枚。尚、ここに収録の音源は彼の主催のPetites Planètesのウェブサイトで全編を確認できます。 www.petitesplanetes.earth (Shhhhh)