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VARIOUS
琉球レアグルーヴ Revisited - Okinawa Pops 1957-1978
Nipponophone
- Cat No.: COJA-9544
- 2025-03-31
Track List
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アコギのイントロから始まる「スクチナタンメー」(面白いおじいさん的な意味) はミディアムテンポの軽快で心地よいリズム。太鼓が自由に細かく刻んでいるのが印象的で、全体のリズムを下支えもしている。「風車」は打楽器レスで多弦的(三線、琴、バイオリン)でゆらめくような音響の中、久場勝子が切々と歌う。 (内海イズル)
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沖縄を代表する四人姉妹のボーカルグループ、フォーシスターズ。沖縄音楽界の重鎮で数々の民謡レコーディングに参加したフルート・尺八奏者の三田信一による「ウーマクカマデー」、沖縄音楽界の父であり沖縄の「フォスター」とも呼ばれる普久原恒勇の「島娘」、ともに 山城功によるストリングスアレンジが光る、まるで武満徹の映画音楽のような郷愁感漂う名作中の名作。必聴︕ジャケがまたかわいい︕マスターピース︕︕ (内海イズル)
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屋良ファミリーズの「海やからー」は「ボサノバ・ジントーヨー」「白浜ブルース」と並ぶ琉球レアグルーヴの重要作。民謡をロックやジャズにアレンジするのではなく、民謡のハネたノリを強調するようなドラムビートにレゲエのような裏打ちのギターカッティングという新しい民謡ビートに斬新に取り組んでいる。まさにジャケにあるキャッチフレーズの通り、「民謡でダンスを」に呼応するかのような内容︕沖縄のダークダックス・男性 4人組のコーラスグループ・ホップトーンズの人気を決定づけた「 ヘイ︕二才達」は、本土復帰した沖縄でジャズなどの洋楽を取り入れた新しい沖縄のポップスを作ろうといった機運の中で作られた曲。 (内海イズル)
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沖縄民謡界のビッグネーム、饒辺愛子の歌う「伊是名二見浦」は、打楽器は使用されているものの控えめで弦楽器中心の編成でリズムを作っており、どこかインドネシアのクロンチョンのような優雅なポップさがある。琉球王国の礎を築いた尚円王が生まれた島として名高い伊是名島の「日本の渚百選」にも選ばれた景勝地、二見ヶ浦海岸の美しさについて歌った曲。「神の島」は島そのものが沖縄最高峰の聖地である久高島について、名人神里茂夫が三線弾き語りで祈るように歌うさまは圧巻︕三線の刻む繰り返しのメロディとビートのもたらすミニマル感は呪術的な魔力がある。 (内海イズル)
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「西武門節(にしんじょうぶし)」など多くの作品を残し作詞・作曲家・舞踊家として沖縄芸能の普及と発展に多大な貢献をした偉人、川田松夫による作品 2 曲。沁み入る声で歌う山城明美の「母の悲しみ」で聴ける伴奏は、打楽器がなく、三線、琴、ギターなど異なる何種類かの弦楽器が音色のレイヤーを形成するという、ふわふわとした音の波が揺蕩う多弦的音響世界。 逆に「嵐世の中」ではドラムを使用してリズムを強調している。 (内海イズル)
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沖縄民謡の歴史的な名演をカップリングした重要作。まず聴いてもらいたいのが「那覇 綱引き文言」(sample2)。数々の名作沖縄民謡・芸能を残した親泊良安の傑作漫談。那覇大綱引きの様子を、ドラや鉦を打ち鳴らしながら、畳み掛けるように言葉を発するさまはまるでパンクのようでもあり、狂気すら感じる迫力がある。「戦場を怨む母」は具体音やセリフを交えながら当時の母親の気持ちを歌三線で表現したもの。琴で参加の知名定繁は知名定男の父親で沖縄民謡の大家。第二次対戦末期、沖縄は本格的な市街戦が行われ県民の四分の一が亡くなったとされる地なだけに、戦後、戦争の悲惨さや悲しみを伝える数多くの民謡が作られた。ジャケは沖縄を描き続けた版画家、儀間比呂志によるもの。 (内海イズル)
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「ハイサイおじさん」のオリジナルレコーディングとして知られるこの盤ですが、馬の蹄やいななきなどの具体音 SE から始まり、その蹄ビートに合わせるように始まる「馬車小引ちゃ」は荒々しくサイケな雰囲気が漂う無国籍なドープ民謡!それまでの沖縄民謡のアプローチにない、オリジナルなロック世代のバンドスタイル沖縄民謡を生み出した傑作! (内海イズル)
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声変わり前の知名定男。素晴らしい録音。コザのNu-dohワークスの再発&リミックス。感謝。(サイトウ)
1958年に発表された知名定男の伝説的なデビュー曲「惣慶漢那(スーキカンナー)」が、この2024年ついに蘇る。
沖縄大衆文化のレジェンドである知名が「惣慶漢那(スーキカンナー)」を発表したのは13歳のとき。
その天才少年ぶりは滑らかで艶やかな歌声から一聴瞭然だ。「惣慶(スーキ)」と「漢那(カンナー)」とはどちらも沖縄の地名で、歌詞には同地から箕ザルを売りにやってきた物売りの口上が盛り込まれている。その後、本部やコザ、勝連など各地の物売りたちの売り文句が続く楽しい1曲だ。
注目はB面。沖縄民謡や民俗芸能を現代ベースミュージック解釈で蘇らせるユニット、Churashima Navigatorでも活躍してきたプロデューサー/DJ、Nu-dohによる「惣慶漢那(スーキカンナー)」のダブステップ・リミックスが収められているのだ。
ずっしりとしたビートに三線が絡みついたのち、知名の歌とヘヴィーなベースラインが同時に鳴り響く興奮を何と言葉にすればいいだろうか。
この1曲のリミックスを作る前にNu-dohは知名のもとを訪れ、自分の思いを伝えるとともにリミックス制作の許しを得たのだという。
彼らしい「筋の通し方」が気迫のこもった音にしっかりと表れている。
マルタカレコードから発売された「惣慶漢那(スーキカンナー)」のオリジナル盤は現在高値で取引されているが、今回はイギリスの名門スタジオ「Curve Pusher」がマスタリングとカッティングを手掛け、高音質でのリイシューとなった。
沖縄民謡のレガシーをどのように受け継ぎ、次の世代に伝えていくことができるのか。
この音盤に込められているのは音だけではない。スピリットもまたひとつひとつの溝に刻み込まれているのだ。
大石始(文筆家)
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沖縄民謡の巨人、嘉手苅林昌のエイサー。「七月エイサー」は最初の2 曲を知念禧、3曲目に嘉手苅林昌が唄うエイサー楽曲メドレー。当時の沖縄民謡の録音としては大太鼓の音量が大きく、しっかりとした低音が全体を下支えしている。同じくエイサー楽曲の「スーリー東節」はエレキギターを加えたどこかとぼけた雰囲気のある無国籍風な民謡に仕上がっている。 (内海イズル)
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芯のある美声の持ち主で、琉球古典音楽界にその名を遺した野村流名人の幸地亀千代が歌う、500 年近く前に生まれ古典創作音楽中最高のものと言われる「かぎやで風」。文字数にしてたった 30 字ほどの短い歌詞を 3 分ほどかけて音を伸ばしながら実にゆったりと歌うその時間感覚は衝撃的で、そこにこの祝い唄の格調の高さを感じる。「恩納節」は情熱的で自由奔放な女性だったと言われる歌人、恩納ナビーが詠んだ歌で首里中央政府から風俗取り締まりとして毛遊び(若い男女が夜に村から離れた野原などに出て歌い踊り楽しむ習慣)禁止令が出された時の、一種の抵抗歌として歌われた曲。 (内海イズル)
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「七月エイサー」は地元名護市大浦のエイサーや村踊りの地謡を努めていた玉城安定の民謡研究会による壮絶なエイサー楽曲メドレー!囃子のキレも最高な究極のエイサーが聴ける。「でいご音頭」はエイサーなどの舞の文化や自然、人情豊かな人々の事などをヤマトグチで歌った沖縄讃歌。後年マルフクで別ジャケで再発されてますが、これは最初にリリースされた稀少なオリジナルジャケ。 (内海イズル)
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2025年08月02日