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Fading

  • Cat No: CDSTUMM457
  • 2023-09-16

前作「Wald」から2年ぶりに届けられた天才サウンドマンPOLEことStefan Betkeによる抽象画のような淡く儚いアーティスティック端正に作り込まれた珠玉エレクトロニック・アートダブ魅惑の世界。サウンドマッサージ。時は流れ、そのサウンドは姿形を変え、より洗練されて巧みに、しかも力強く進化を遂げてきている。CDも入荷いたしました!

今作「Fadeing」は本人曰く、コンセプト・アルバムではないと発言しているが、認知症の母親の介護を経て”記憶の喪失”という概念をきっかけに制作された、91年にもわたって積み上げてきた母親の歴史と記憶の全てを認知症によって少しずつ失って無くしていく様子、その様は生まれたての赤ん坊のようで人生がこれから始まっていくかのようにさえ感じ取れる様子を目の当たりにしながら、しかしながら人というのは、そうなってしまっても全てを失うわけではなく、その人の持つ個性や感情イメージ、何というか、雰囲気みたいなものは残していく。生きとし生けるものは全て地球上に何かを残していく。というような境地にまで辿り着いたという”人生”そのものをテーマにしたという、まるで記憶の断片が瞬間的に無くなっていくかのような神経の伝達音シグナルのようなエレクトロニクス刺激音がステレオフォニック・リズミック・ダビーにデザイン配置構築された、アート領域へも踏み込んだ、淡く端正で深みのあるPOLEエレクトロニクス・ダブ円熟世界が静かに広がっている。ヘッドフォンで没入して聴くのにも最適で、スピーカーを通して体が震えるような大音量で聴くことも最高な作品となっている。そして、今作のアートワークにも激渋で、それは、超強力な雷を伴った嵐の夜、自宅テレビが壊れて全くつらな無くなった後、しばらくして何とか映像を映す出そうとするテレビから写しだされた画像をPOLE自身が撮影した写真がアートワークとして使用されている。完璧なまでに丁寧に作り込まれた芸術作品の領域へと昇華された極上エレガントを超えたPOLEワールドなるミラクル味わい深いリスニング体験をぜひ。トラックリストからもどうぞ。 (コンピューマ)

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