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Phew
New Decade
Traffic /- Cat No: LSTUMM496
- updated:2021-12-03
「感傷的なものは排除したかった」と本人が語る、約30年ぶりにMUTEから発売されたPHEWのニューアルバム「New Decade」、LTDクリアーヴァイナル・アナログ盤LP全6トラック。DLコード付き。
Track List
アート・パンク・バンドとして注目を集めたアーント・サリー、コニー・プランクのスタジオで、
CANのホルガー・シューカイとヤキ・リーベツァイトと共に制作されたソロ・デビュー・
アルバム等、どれほど長い時間が経とうとも、Phewは、我々を甘やかすつもりはない。
「感傷的なものは排除したかった」と語る、約30年ぶりに《ミュート》から発売されるアルバム
『ニュー・ディケイド』は、世界の自己陶酔する偽物たちへの彼女からの断固たる反撃なのだ。
「今の状況を考えると、私はラッキーだったのかもしれません。昨年は特に、生きているだけで
もある意味、幸運という状況でしたから。ミュージシャンやアーティストとして、自分の気持ち
を率直に語ることができるのは、このような状況下においてはある種の特権であり、それを濫用
してはいけないと感じました」
これは、近年のPhewにとっての行動指針となっており、その特徴的なヴォーカルと、熱を
帯びたドローン・シンセサイザーや、脆性なドラムマシーンなどを融合させた多数のソロ作品を
制作してきた。パンデミックが起こるかなり前から、彼女は自宅で孤立して制作の仕事をするこ
とには慣れており、近隣の住民の迷惑にならないように、声を抑えてもいた。
『ニュー・ディケイド』では、ますますその雰囲気が濃くなっており、それは過去18ヶ月に
わたり、ツアー活動を休止していた影響でもあるという。この荒涼とした、憑りつかれたような
アルバムは、ひび割れた、ダブ色の強いエレクトロニクスを背景に、英語と日本語で唱えられる
空虚な言葉や、言葉にならない悲鳴やうめき声で構成されている。
タイトルの『ニュー・ディケイド』これは、かつては希望やダイナミズム(活力)を意味する
言葉だったが、2020年代の幕開けに発表された新聞や雑誌の記事の多くは、今後どれだけ状
況が悪化するかを予想したものばかりだった。「30年前には、”ニュー”という言葉は、進歩や
物事がよくなることの同義語でした」と、80年代のバブル期の日本が熱狂した拡大主義を思い
出して、Phewがいう。「今はもう、そんな事は信じていません」そして、このアルバムを通
して、時間の認識についての、緩いコンセプトが流れているのだという。「80年代、そして
90年代までは、物事が過去から現在、未来へという流れで進行していましたが、特に21世紀
が始まって以来、その流れが変わってしまったと感じます。個人的には、現在から連なる未来と
いうものが、見えなくなってしまいました」
このことは、現在の彼女の作品の、身の置き所の無い性質に反映されている。Phewは、多く
のアナログ・シンセのリヴァイヴァリストたちのように意図的にレトロにしているわけでもなく、
最新のトレンドに追いつこうと、時間を無駄にしたりもしない。
Phewの音楽は、独自の周波数に共鳴する、時を超越した音楽なのだ。
CANのホルガー・シューカイとヤキ・リーベツァイトと共に制作されたソロ・デビュー・
アルバム等、どれほど長い時間が経とうとも、Phewは、我々を甘やかすつもりはない。
「感傷的なものは排除したかった」と語る、約30年ぶりに《ミュート》から発売されるアルバム
『ニュー・ディケイド』は、世界の自己陶酔する偽物たちへの彼女からの断固たる反撃なのだ。
「今の状況を考えると、私はラッキーだったのかもしれません。昨年は特に、生きているだけで
もある意味、幸運という状況でしたから。ミュージシャンやアーティストとして、自分の気持ち
を率直に語ることができるのは、このような状況下においてはある種の特権であり、それを濫用
してはいけないと感じました」
これは、近年のPhewにとっての行動指針となっており、その特徴的なヴォーカルと、熱を
帯びたドローン・シンセサイザーや、脆性なドラムマシーンなどを融合させた多数のソロ作品を
制作してきた。パンデミックが起こるかなり前から、彼女は自宅で孤立して制作の仕事をするこ
とには慣れており、近隣の住民の迷惑にならないように、声を抑えてもいた。
『ニュー・ディケイド』では、ますますその雰囲気が濃くなっており、それは過去18ヶ月に
わたり、ツアー活動を休止していた影響でもあるという。この荒涼とした、憑りつかれたような
アルバムは、ひび割れた、ダブ色の強いエレクトロニクスを背景に、英語と日本語で唱えられる
空虚な言葉や、言葉にならない悲鳴やうめき声で構成されている。
タイトルの『ニュー・ディケイド』これは、かつては希望やダイナミズム(活力)を意味する
言葉だったが、2020年代の幕開けに発表された新聞や雑誌の記事の多くは、今後どれだけ状
況が悪化するかを予想したものばかりだった。「30年前には、”ニュー”という言葉は、進歩や
物事がよくなることの同義語でした」と、80年代のバブル期の日本が熱狂した拡大主義を思い
出して、Phewがいう。「今はもう、そんな事は信じていません」そして、このアルバムを通
して、時間の認識についての、緩いコンセプトが流れているのだという。「80年代、そして
90年代までは、物事が過去から現在、未来へという流れで進行していましたが、特に21世紀
が始まって以来、その流れが変わってしまったと感じます。個人的には、現在から連なる未来と
いうものが、見えなくなってしまいました」
このことは、現在の彼女の作品の、身の置き所の無い性質に反映されている。Phewは、多く
のアナログ・シンセのリヴァイヴァリストたちのように意図的にレトロにしているわけでもなく、
最新のトレンドに追いつこうと、時間を無駄にしたりもしない。
Phewの音楽は、独自の周波数に共鳴する、時を超越した音楽なのだ。
あの世とこの世の境界線を彷徨い行き来するかのような、気品と狂気の入り混じった幽玄幻影的な精霊的美しさが、声とシンセ、ギター、リズムマシーンによる先鋭的ダビー・ミニマルに奏でられ響き合うNew Decade精神世界6トラックを収録。Hiroyuki Nagashima:mixing、synths、rhythm on A3「Into the Stream」、Siichi Yamamoto:guitar on B3「Doing Nothing」、塩田正幸による写真、鈴木聖によるデザイン・アートワーク、MUSIC VIDEOも必見。まさに独自の周波数に共鳴する、時を超越した音楽。レコメンド。 (コンピューマ)