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Kreasi Baru
Beleganjur : Kapal - Badung
Bali
- Cat No.: B 833
- 2017-06-10
リンディックとは、基本的には2人の竹のリンディック奏者で演奏される。スリンと呼ばれる笛が入ることもある。意外に思うかもしれないが、バリの高校や中学校の音楽の授業でリンディックが教えられている学校が多く、そのためリンディック演奏の大会も多い。黄色い女子高校生の声の飛ぶ中バッチリとメイクアップした男子高生がこれでもかと言わんばかりにカッコよく優雅に演奏するのが印象的である。昼下がりのけだるい時間に田んぼの向こう側からリンディックの演奏が聞こえるとなんとも幸せな気分になれる。 (辻 圭介)
チャロナラン物語の内容:11世紀の初めに、バリの王子がジャワの大王エルランガになった。大后母のチャロンアランは、ジャワ王家の出身で、バリ出身の夫、つまり国王とともにかつてバリ島をもおさめていた。ところが国王(エルランガの父)はチャロンアランが魔法使いであることに気がつき、チャロンアランを森に追放した。そうした復讐の陰には、チャロンアランの美しい娘に、貴族の若者が誰も結婚を申し込もうとしないことへの恨みでもあった。大后=魔女チャロンアランによる国宝崩壊の陰謀に対して、エルランガはやむなく兵を送って大后チャロンアランとその一味を滅ぼそうとした。けれども大后チャロンアランの恐ろしい魔力の前には、手も足も出なかった。そこでエルランガは、高僧ムプ・バラタに助けを求め、ムプ・バラタは一策を案じて息子バウラを大后チャロンアランの娘の懐に送った。バウラはチャロンアランの娘の心をつかみ、母親である大后チャロンアランの魔力の秘密を知るためである。計画はまんまと成功した。魔力の秘密を知ったムプ・バラタはチャロンアランとその手下等を退治しようとし、チャロンアランを滅ぼす。ムプ・バラタはマントラの力によってチャロンナランを打ち負かし滅ぼすが、その際に罪の責任を与えるのを忘れてしまう。そのためもう一度チャロンナランを蘇らせ、その罪を負わせ、再び滅ぼすことになる。(「魔女ランダ考」24-25)より抜粋) (辻 圭介)
その音色はリンディックやジョゲッなどの音色に似ているが、音階はリンディック、ジョゲッなどがスレンドロ音階を使用しているのに対して、ジョゲッピンギタンの楽器はペロッグ音階を使用していることが特徴だ。現在(2016年)では、奉納演奏では演奏する団体もとても少なくなってしまい、なかなか見ることが難しい芸能になてしまったが、スカワティ西部のバトゥアン村のトリプサカサクティ楽団が伝統継承している。本作のカセット音源ではその当時神がかっている踊り子としてとても有名だった故イブ・チェニックがこの曲の収録中に踊っていることはとても興味深い。「辻 圭介(バリ ガムラン ライブラリー www.gamelan.asia)」 (辻 圭介)
通常のガムランはバチを右手に1本だけしか持たず、左手で叩いた音を止めていく。このグンデル ワヤンという楽器は、バチが2本で左右の手で持って演奏される、しかも拳の下側で叩いた音をミュートしていくという考えただけでもこんがらがる楽器です。グンデル ワヤンは地域によりスタイルが分かれている。1番激しくメジャーなスカワティ村、甘い曲が多いデンパサールのカユマススタイル、その中間ともいうべきタバナンスタイル、オリジナルの個性的な曲が多いカランガッサムと、そのスタイルの違いを聞き比べるだけでもお腹がいっぱいになってしまう。バリヒンズー教の儀式の中でも特に重要な位置を占めるグンデルワヤン。グンデルワヤンがないと儀式が成立しない儀式も多い。今回のカセットは、激しく1番バリエーション豊かなスカワティ村の有名語り手(ダラン)の1985年あたりに録音された音源である。 (辻 圭介)
とても壮大で洗練された優雅な曲の多いルランバタンは、主に儀式中にひたすら演奏されることが多い。メインの主旋律を奏でる楽器はトロンポンという名前の楽器でお鍋をひっくり返したような青銅鍋を10個まとめて演奏する。奏者は楽団のリーダー的な要素も受け持ち2本のバチを巧みに操り、優雅なメロディーを奏でる。楽曲も覚えるのがとても大変で曲の1周期が128小節のものもあり覚えるのにとても時間がかかる。この雄大で落ち着いた大人のガムラン、古典ルランバタンを聞いたら瞬間から熱帯の夜があなたを包み込むだろう。 (辻 圭介)
本拠地はバリ島中部のウブド王宮の東に位置するプリアタン村にある。ガムランの種類は30種類ぐらい存在すると言われるが、「ティルタ サリ」はプレゴンガンというガムランを演奏楽団である。2曲目「ペンデット」(奉納演奏で村人が踊る女性舞踊)は、バリでは満月の夜にお寺での奉納演奏でよく演奏される。5曲目「レゴン・ジョボグ」も宮廷レゴン舞踊劇で「ティルタ サリ」の得意とする楽曲。 (辻 圭介)
ガムランの種類は30種類ぐらい存在すると言われるが、「ティルタ サリ」はプレゴンガンというガムランを演奏楽団である。その音色は、近年バリ島で流行っているゴン・クビャールよりも甘く美しい。しかも「ティルタ サリ」楽団の所有するプレゴンガンはバリ島でも最も美しい音色と言われている名器中の名器だ。1曲目の「プスパ・メカール」(歓迎の踊り)から始まり、3曲目「タルナ・ジャヤ」(女性の踊る男性舞踊の最高補)、6曲目「レゴンラッサム」(ラッサム王の悲劇の恋物語)まで、「ティルタ サリ」楽団の得意とする名曲を収録している。 (辻 圭介)
ガムラン アンクルンとは主に1オクターブ中4音を選んで鍵盤配列された楽器である。そしてこのアンクルン音階のことをバリではスレンドロ音階という。音階は沖縄のヨナ抜き音階に近いせいか、中国的な響きというか、カラッと明るい雰囲気の音階で聞いていて楽しくなってくる。そこにスリン(竹笛)がいい雰囲気で音の波に乗っている。アンクルンはお葬式、大切な儀式等で演奏されることが多いのにカラッと明るい楽しくなるガムランが演奏されることはとても興味深い。バリ人は親族が亡くなった時にその親族の魂が心地よく輪廻できるように、この地上に後悔させないようにと、涙を流すものはほとんどいない。皆本心では悲しいのだが泣いてしまったら魂が輪廻できずに戻ってきてしまう。このアンクルンと言われるガムラン音楽は、バリ人にとっては、悲しみと涙と明るさというプラスとマイナスの愛極まった感情(バリ人の心)の音楽なのである。 (辻 圭介)
ジョゲッとは本来ジョゲッブンブンと呼ばれその歴史はあまり古典はなく1946年ごろバリ島ブレレン県に娯楽として誕生した。踊り子一人、竹でできたリンディックを主とした楽団員10-20名で構成されることが多い。まず最初は踊り子一人で踊り、途中で踊り子に指名された会場にいる男性も舞台に上がり一緒に踊ります。見ていると結構ウケ狙いで踊り子におさわりしたり抱きついたりしようとしてきますが、踊り子はそれをギリギリのところでかわしながら、男性をいなしていきます。その度に会場は大爆笑の渦に包まれます。さて、このジョゲッブンブンの演奏は、ある程度の決まりはあるものの実は踊り手の動きの加減で、曲が変化していきます。ですので、踊り子の調子によって曲が長くなったり短くなったりしていきます。大衆娯楽音楽ジョゲッはバリ人にとって日々の活力的な芸能なのです。 (辻 圭介)
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このカセットはバリ島の南部バドゥン市にて1991年に録音された。「ブレガンジュール」はバリ島では村の町内会の青年団によって演奏されることが多い(演奏者人数は10-40人以上)。その数は各町内会ごとに存在する(デンパサールやウブドなど)ので、ゴンクビャールなどのガムランの総数よりも多い。そして、オゴオゴと呼ばれる静寂の日の前日の夜にバリ島中でハリボテの妖怪が練り歩く。その伴奏に「ブレガンジュール」は使われる。それ以外にも、お葬式やバリ人のソウルでもある凧揚げ大会、村のお清め行事などバリ島で一番耳にすることの多い伝統音楽。その迫力はガムランの中でもピカイチだ。ここまで激しい人力ダンスミュージック 伝統音楽「ブレガンジュール」を聞いたらしばらくは鼓膜がしびれてしまう。 (辻 圭介)