MARK FELLの新しい方向性。1976年にIANNIS XENAKISによって考案された微分音を使ったメタロフォン「The Sixxen Metallophone System」を使ったもの。ポルトガルのドラムグループDRUMMING GRUPO DE PERCUSSÃOによる演奏となります。
MARK FELLによる新しいアルバムではあるんですが、一旦MARK FELLという事を忘れてしまった方がいいかもしれません。4人のパーカッショニストDRUMMING GRUPO DE PERCUSSÃOが、MARK FELLから送られてくる信号をイヤーモニターで聞きながら微分音メタロフォンを演奏。基本的には4分程度の短い曲群であり作曲されたものの演奏のようですが、簡単なルール選定や信号の合図、時間軸を示すスコアなどを使ったものなのではないかと思います。響きはクセナキスのように計算された難解さとは逆に、プリミティブでメディテーティブな素晴らしい響き。先日このINTRAのライブを観る事ができましたが、T字の部屋に演奏者がそれぞれ別々の場所に配置され、演奏者同士が見づらい空間、逆に言えばMARKが信号で指揮するため演者同士見る必要のないものでした。客は自由な場所に移動して聞くことができ、その距離などで面白い効果が生まれていました。曲によっては細い箸のようなスティックで叩いたり、ゴムマレットを鍵盤に擦りつけたり、鍵盤の上にチェーンを乗せて演奏するなど、システムよりも響きの面白さの探求が優先的であった事に一番の驚きを感じました。ライブでの特殊な音空間をどうやって2チャンネルに落とすかが重要ですが、これを聴くとライブ中の考察/観察や環境が取り外されダイレクトに音の響きの面白さに持っていかれたり、一体感があるからこそ出る音の発見があったりなど2チャンネルで聴く意味も新たに感じました。不要なフィルターを取り外しじっくりと聴いてみてほしいです。Tracklistで全曲試聴できます。推薦!!
(日野)
MARK FELLによる新しいアルバムではあるんですが、一旦MARK FELLという事を忘れてしまった方がいいかもしれません。4人のパーカッショニストDRUMMING GRUPO DE PERCUSSÃOが、MARK FELLから送られてくる信号をイヤーモニターで聞きながら微分音メタロフォンを演奏。基本的には4分程度の短い曲群であり作曲されたものの演奏のようですが、簡単なルール選定や信号の合図、時間軸を示すスコアなどを使ったものなのではないかと思います。響きはクセナキスのように計算された難解さとは逆に、プリミティブでメディテーティブな素晴らしい響き。先日このINTRAのライブを観る事ができましたが、T字の部屋に演奏者がそれぞれ別々の場所に配置され、演奏者同士が見づらい空間、逆に言えばMARKが信号で指揮するため演者同士見る必要のないものでした。客は自由な場所に移動して聞くことができ、その距離などで面白い効果が生まれていました。曲によっては細い箸のようなスティックで叩いたり、ゴムマレットを鍵盤に擦りつけたり、鍵盤の上にチェーンを乗せて演奏するなど、システムよりも響きの面白さの探求が優先的であった事に一番の驚きを感じました。ライブでの特殊な音空間をどうやって2チャンネルに落とすかが重要ですが、これを聴くとライブ中の考察/観察や環境が取り外されダイレクトに音の響きの面白さに持っていかれたり、一体感があるからこそ出る音の発見があったりなど2チャンネルで聴く意味も新たに感じました。不要なフィルターを取り外しじっくりと聴いてみてほしいです。Tracklistで全曲試聴できます。推薦!! (日野)