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Julia Reidy
brace, brace
Slip
- Cat No.: SLP046
- 2024-02-21
BOOMKATがベストに入れるのもわかる、MONOLAKEのアンビエントやJAN JELINEKなどの路線に自然とリンクするもの。深い霧の中でポイントポイントでピントがあったりするリズムの躍動。しかしダンスに向けられたものではなく、もっと自然なリズムに感じます。今後HUERCO S.の〈WEST MINERAL〉とかからリリースしそうな予感も。 (日野)
前作「The Sacrificial Code」も素晴らしく即売り切れましたが、こちらも期待以上の素晴らしさ。短いフレーズのループをゆっくりと時間をかけて何度も何度も繰り返していく。聴いていくほどに思考することをやめ、音に浸って一緒に溶け合うような感覚に。ラモンテヤングやテリーライリーとは違うシンプルな方法ではありますが、パイプオルガンの素晴らしい音色も相まってシンプルだからこそ持っている強度がある。歴史に残る一枚になるかもしれません。 (日野)
RASHAD BECKERによるリマスタリングが施され、97年にリリースされた作品が初めてのレコードフォーマットでの再発となりました。20年を経てこの時代にバッチリハマるような先見的な作品で、LEE GAMBLEのKOCHなどにも近い質感のJUNGLEをベースにした荒廃的サウンド。そしてGASやLEYLAND KIRBYにも通ずるダークアンビエントなドローン/エクスペリメンタルな曲も混ぜていく奥深いアルバムです。ジャングル部分もディストピア感が混ざり、実験的に試されていてすごく面白い。 (日野)
SPACE AFRICAなどリリースしているマンチェスター拠点レーベルSFERICからサウンドアーティストJAKE MUIRによるアルバムがリリースされました。フィールドレコーディングを基調にし、丸く心地良い処理をされたサンプリング音やシンセサイザーなどで作り上げられた空気感が、水面に反射する太陽の光のようにゆらゆらと揺れて綺麗に光っているよう。アイスランドを思わせるサウンドですが、真逆のロサンゼルスで作られてるというのも面白い。トラックリストからも是非。 (日野)
マルチインストゥルメンタリスト/レコーディングエンジニアHENRY BIRDSEYとZACH ROWDENからなるユニットTONGUE DEPRESSORが片面1曲ずつ収録した新作アルバムを発表!繊細なリズム構築と微音チューニング、即興と作曲の中点で展開するベルパーカッションプロダクション。数学的シーケンスで演奏されるベルリンギングのスタイルで、リズミカル且つ瞑想的なサウンドスケープ「Graver's Block」(sample1)(sample2)。フリップにはオルガンとスティール・ギターを重ねたドローン「Monocline」(sample3)を収録。 (Akie)
Track List
発売されると共に販売元で即ソールドアウトとなった詳細不明な謎レーベル〈BBLISSS〉のコンピレーションに、HUERCO S.やUON aka DJ PARADISEらと並んでNAEMI名義で曲が収録されたEXAEL。その翌月にはスペインからUONとのスプリットテープを発表。そして今回の作品がEXAELとして初めてのLPとなります。瑞々しいシンセや残響音が美しいアンビエントな曲や、シンプルなドラムにディレイを効かせたリズミックなサウンドが知的。霧に包まれたようであり涼しく爽快でもあります。 (日野)
2017年のハイライトの一つであった前作アルバム「Hand In Hand」に続くソロ名義でのフルアルバム。日常のたわいもない瞬間に焦点を当てて拡大したような印象を受けます。詩の朗読やシンセサイザー、フィールドレコーディングに加え、マリンバやウッドベース、そしてギターなどの生楽器を過剰になりすぎない程度に丁寧に織り交ぜた独特なバランスの良さがすごく良い。それでも前作よりもすこし派手に、感情的に作られているように感じ、中でも1番大きな違いはラストトラック。Stephen O'Malleyのギターのフィードバックが情緒に溢れた素晴らしい演奏で、アルバムの最後を美しく飾っています。 (日野)
メディテーティブなゆったりとした瑞々しいリズムは独特なもので、それはJON HASSELLをも連想させる素晴らしい響き。それに乗る空気感を彩るシンセサイザーやウィスパーボイスが夢見心地にさせてくれる。ダンスに明け暮れたULLAが彼女のベッドルームで一晩中チャットをしたという経験から作られたらしいですが、程よく力の抜けたこの四曲はリスニングにちょうどいい塩梅。レーベル買い推奨です。 (日野)
V/VMをはじめ様々なプロジェクトを行うイギリスの実験音楽家JAMES KIRBYのTHE CARETAKER名義。連作となった「Everywhere At The End Of Time 」シリーズ。Stage 4から6までを4枚組のCDとしてリリース。ステージを増すごとにメロデイーが崩壊していくようです。メロディーは残像となって、ノイズと混沌にまみれ奇跡的な美しさを産んでいる。必聴。 (サイトウ)
CAVEMAN LSDやDJ PARADISEといった名義で活動する謎なアーティストUONによる作品が〈WEST MINERAL〉よりリリース!水の中で聴いているようなメディテーティブな音に吸い込まれていくもので、少し聴くだけだと昨今のアンビエントに近いような印象を感じるかもしれませんが、そういったものよりも〈CHAIN REACTION〉や〈BASIC CHANNEL〉のアンビエント方面に近いものを感じます。作品通して一貫した音像ですが、中でもB1(sample1)のリズミックなアプローチがとても良く、SHINICHI ATOBE的な少し浮いた音のハイハットが刺激的です。 (日野)
個人的にもこの人の新作を待ち望んでいました!元はサックスプレイヤーであり、SERGEやEMSとサックスを一緒に演奏するスタイルから次第に電子楽器のみにフォーカスして電子音の探求をし続けているTHOMAS ANKERSMIT。JIM O'ROURKEとのスプリットLPやVALERIO TRICOLIとのデュオで〈PAN〉からのリリース、PHILL NIBLOCKとツアーを行うなどして着実に経験を積み、今や世界トップの電子音楽家のひとりであると思っています。今作はタイトルにもあるように、オランダの伝説的電子音楽家DICK RAAIJMAKERSへのオマージュとして作られました。RAAIJMAKERSの立体音響効果をもたらす録音技術であるホロフォニックへの考えの元、音響空間や構成についてのアイディアをTHOMASが再構築。生々しい電子音の蠢く立体サウンド、そしてひとつひとつの電子音の素晴らしさに感動します。アムスのStedelijk Museumでこのプレミアライブなども行っていたようですが、再来日を熱望…。RASHAD BECKERやKEITH FULLERTON WHITMANなどの最近の電子音楽が好きな方から、往年の電子音を好きな方まで、全電子音楽ファンにお勧めします。 (日野)
Track List
元々REGISはMY DISCOのファンだったようで、REGISのリミックスが入った12”を2016年に〈DOWNWARDS〉からリリース。そして正式なフルアルバムを満を辞してリリースすることとなりました。ブチブチと鳴り続ける荒いオシレーターの波、リバーブを含んだ空間的に打ち鳴らされるメタルパーカッション、不穏な響きのシンセサイザー、低い声でささやくように発せられるリリック。ノイズバージョンのFELICIA ATKINSONのようで、それぞれの音はカオスに入り乱れる事はなくうまくポイントを突いた配置で鳴らされた熟考された現代のインダストリアル。 (日野)
ロンドンの尖ったセンスでリリースを続けるレーベル〈SLIP〉からMICA関連の作品が再登場です。前作では最近〈RVNG INTL〉からのリリースも記憶に新しいOLIVER COATESを迎えた作品でしたが、今回は映画「ジャッキー」の音楽でも参加していたピアニストELIZA MCCARTHYを迎えて制作。映画「ジャッキー」、「アンダーザスキン」では女性的な浮遊する繊細な気持ちの変化を華美に聴かせない少しの弦の揺れなどで表現していて、それがもの凄く儚く圧倒的であり、恐ろしいほどの才能を感じました。ここで聴けるピアノは何かテーマがあるのかはわからないですが、映画作品と近いものを感じることができます。とか言いつつも、本人はパンキッシュで飄々としていてもしかするとなにも考えていないかもしれない、けど何かがあるような深みがあるように思ってしまう。今後もこの人は追い続けていきます。 (日野)
前作「The Sacrificial Code」も素晴らしく即売り切れましたが、こちらも期待以上の素晴らしさ。短いフレーズのループをゆっくりと時間をかけて何度も何度も繰り返していく。聴いていくほどに思考することをやめ、音に浸って一緒に溶け合うような感覚に。ラモンテヤングやテリーライリーとは違うシンプルな方法ではありますが、パイプオルガンの素晴らしい音色も相まってシンプルだからこそ持っている強度がある。歴史に残る一枚になるかもしれません。 (日野)
初っ端からヘヴィなアーメン、グリッチなスタッカート&ヴォイスチョップでビートをブツ切りした「Tany」 (sample1)に始まり、キックとシンセの連射グルーヴに鮮やかなシンセリフを放り込んだ「Keen Demag」 (sample2)、ポリリズムとアラブ音楽をミックスしたブロークンビート「Bro! (Love It)」(sample3)など。高カロリーなサウンドデザインの中に、独特のブレイクスルーを仕掛け入れた名作、推薦! (Akie)
Track List
〈BLACKEST RAINBOW〉からのアルバム諸作、近年は〈THE DEATH OF RAVE〉などでも活躍するロンドンのCAM DEASと、ウィーン”Virtual institute Vienna”所属のJUNG AN TAGENのよるコラボレーションが実現!心理的現在は120bpmで約2~3秒、その時間知覚に依拠したループエクスタシーというテクノの反復手法に懐疑的挑戦をした今作。偶発的リズム変化、シャッフルを連続させるドラム、、次のキックを予測することを拒否。複雑なドラムプログラミングに圧倒されてリズムを聴いてしまいますが、実はやっていることはその真逆、リズム主導のテクノではなく音色や機材などの”テクノ”というジャンル共通項を掘り下げたピュアな作品、これを単にIDMとは言いたくない。かなり食いました、レコメンド。 (Akie)
Track List
今回もBOOMKAT傘下であり、過去に2枚のアルバムを残している〈THE DEATH OF RAVE〉より。ヴォイスサンプルを散らした高速ブレイクス「Echo Disappears」(sample1)の90sレイヴミューテーションから、レイヴポップ「Hard Life In Plastic」(sample2)。ミステリアスな旋律を背後に鳴らしたアンビエントノイズ「Spiral Dance」やウィスパーヴォーカルをエコーで揺らしたドリームポップ「Pleasure」など、リーチ広くジャンル展開。マスタリングはRASHAD BECKER、アートワークは実父というところまで出来過ぎです。 (Akie)
Track List
先日TTTからDJミックスをリリースしたNINAとDJのGOODNEWSが共同運営するハンブルク拠点のレーベル〈V I S〉から2017年に発売されたEPが再発です!湿気に包まれた熱気の中で鳴らされる重厚なベースの上で軽やかに乗るジャングルビート、そして不穏なアンビエンスを鳴らしたアングラど真ん中の4曲。最近のリイシューなどで聴ける実験的な方向性ではなく、広くお勧めしたい作品です!! (日野)
先日公開された90分を超えるミックスはどれもエクスクルーシブトラックが使われており、その中から選ばれた5曲がレコードとなりました。やはりMumdance & LogosのオープニングトラックやPEDER MANNERFELTのトラックの派手さに最初はやられますが、CATERINA BARBIERIやSPACE AFRIKAのアンビエント-電子音な方向性も見逃せない。両極端な方向性ではありますが、どちらも現在の先端をいく音楽。 (日野)
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ベルリンベースの実験音楽シーンと芸術的アイデアの交換の為のプラットフォーム/音楽団体であるSPLITTER ORCHESTERの一員でもあるJULIA REIDY。2016年から数作のアルバムをリリースし、今回ロンドンの先端レーベル〈SLIP〉から12”デビューです。12弦ギターのミニマルで緊張感もある優雅な響きにフィールドレコーディングやシンセサイザーが絶妙に重ねられていて、OREN AMBARCHIやJIM O’ROURKEをも引き合いに出したくなると思ったらORENとJIMの重要なコラボレーターでもあるJOE TALIAのマスタリングでした。 (日野)