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Eliana Glass
E
Shelter Press
- Cat No.: SP160lp
- 2025-09-22
ジャズシンガー/ピアニストのEliana Glassが初のフルアルバム『E』をリリース。各曲にひとつの人生が凝縮された、濃密でオフビートな、うっとりと魅了される官能の一枚が素晴らしい。Felicia Atkinsonが運営する〈Shelter Press〉の2025年新作。
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2020年の傑作「Yeo-Neun」ぶりの〈SHELTER PRESS〉からのリリース、近年の実験インプロアプローチからある意味「Yeo-Neun」に戻っているような印象を受けますが、音響面やデザインは異なります。育ったソウルから、バークリー音楽大学で経験を積んだボストン、そして世界中をツアーで廻る日々。ついに故郷に戻り、実験を続けた自身の音楽性に常に漂うジャズやクラシックのエッセンスに着目し、ルーツである韓国固有の旋律美を掘り下げた挑戦的アルバム。キーボード、コンピューター、テープレコーダー、グロッケン、マリンバなど、チェロを多種インスツルメントに変え、繊細な旋律を構築。古典環境音楽にも通づるミニマルなリズムも邂逅させた、美しく複雑な構造。トラックリストから全曲試聴できます!推薦。 (Akie)
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〈Editions Basilic〉を運営し〈RVNG/Freedom To Spend〉にも携わる、アメリカ出身で現在はギリシャ・アテネを拠点とするフルート/シンセ奏者・作曲家のJohn Also Bennett。バスフルートと純生律にチューニングしたヤマハDX7IIシンセを中心に、都市の喧騒や聖週間の鐘の行進、嵐のフィールド・レコーディングなどを織り込んだ、ミニマルで瞑想的な至福のアンビエンス。タイトル曲「Ston Elaióna(オリーブの木立にて)」(sample1)をはじめ、スタジオの壁に現れたヤモリの素早い動きと静止を音で模倣したという「Gecko Pads」(sample2)、墓石に刻まれ完全な形で残る最古の楽曲とされる「Seikilos Epitaph」の電子的再演を含む全10曲(1曲はフィジカルオンリー)。古代から現代に連なるアテネでの日常の環境や体験の臨場感を情感豊かに反映させた一枚。マスタリング&カッティングはRashad Beckerが担当。 (足立)
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即興音楽、韓国民族打楽器、アンビエントなど、メンバーが違った音楽的バックボーンを持ち、それぞれを結合・探求すべく結成。名門〈TYPE〉レギュラーとしてじっくりとリリースを重ねるシカゴ音響派バンドZELIENOPLEがお久しぶりの新作をローンチ!MATT CHRISTENSENのボーカルとギター、ERIC ELEAZERのローズのフォーキーで朧げなサウンドをマルチ楽器奏者BRIAN HARDINGがまとめ上げる第四世界ポストロック。ドゥームのような低音域、不規則なドラムロールの刺激的要素も吸収する浮力を帯びた質感。アルバム全体が無重力感に包まれています。 (Akie)
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〈ARCHAIC VAULTS〉〈ROOM40〉において、ミュージックコンクレート、アメリカのミニマリズム、現代音楽の系譜を汲み取った快作を残してきた音楽家LISA LERKENFELDT新作!インフラ施設などにより人間の侵入が不可能になった地下空間を描いたコンセプチュアルな一枚。ピアノ、チェロ、テープループを使った音の反復。そして緻密な音響構築で、独自の深いハム音を響かせる音空間を形成。不規則なループポイントによる音の亀裂、フィールド録音が与える抽象性、リード楽器の美しさが相まった非現実的サウンドスケープ。 (Akie)
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〈EDITIONS MEGO〉〈SLIP〉からもリリースするシドニー出身ベルリン拠点のギタリストJULES REIDY新作アルバムが〈SHELTER PRESS〉からリリース!通常の12音程の範囲を超えた純正律チューニングのギター、多弦ギターのサンプリング、フィールドレコーディング音源が重なるハーモニーの実験。自身のオートチューンボーカルも使用してますが低音に吸収され異質な轟音に。フォーク、ドローン、アンビエントの中間にあるサウンド、奇妙な感覚。 (Akie)
FELICIA ATKINSON主宰の先鋭電子音楽処〈SHELTER PRESS〉からのリリース!前作『Rêve Noir』(2018年)と同様にギターとピアノの構成ながら、今回はSTEPHENによるアコースティックギターと、ANTHONYが久しぶりのプリペアド・ピアノ(弦の部分に異物を挟むピアノ、奏法)を使用。純正調のチューニングのギターに、打楽器・金属的な響きを有した複雑な倍音のピアノをまともに対峙させたアコースティック実験。推薦です。 (Akie)
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上記他にも〈SFERIC〉〈SMALLTOWN SUPERSOUND〉〈MOTION WARD〉といった名だたる先鋭電子音楽処から引く手数多な電子音楽作家PERILA aka LOGが名門〈SHELTER PRESS〉に登場、カセット媒体でアルバムをリリース!自身のハミング、ピアノ、電子音が美しいタペストリーを描く「Dropping Closely At First Light」(sample1)、電子ドローンを基礎に繊細電子音細工を施した「Elastic Stitches Gracefully In Making」(sample2)など、バラ色の都市・トゥールーズ郊外小さな街での滞在経験が反映されたニューエイジ・アンビエント作品に。思わず息を呑む美しさです。 (Akie)
STEPHAN MATHIEU、AKIRA RABELAIS、OREN AMBARCHIなどの奇才らとコラヴォレーションを重ねながら、音楽理論家としてアカデミックな見地から現代電子音楽前線で活動してきたKASSEL JAEGERことFRANÇOIS BONNE。”ARP 2500”の電子波とポジティブオルガンを合成した鍵盤ドローンや、フィールドレコーディングのレイヤー&残響など。倍音構造と共鳴音、加えてポストクラシカルなリードへの探求を成し遂げた名作の誕生。 (Akie)
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スイスパビリオンにおけるLATIFA ECHAKHCHの展覧会用に制作依頼。ヴィオラ、コントラバス、フルート、パーカッションと、パビリオン内でのフィールド録音を組み合わせて、徐々に変化するように設計されたマイクロサウンドの没入型スロークリープを構築。無秩序的に反復するクリックノイズに、タムや打楽器を重ね、時間軸と共に自然なリズムを形成していくリズムプロセス実験。(試聴は22分を超える一作品を三分割しております。) (Akie)
シカゴのミニマルアンサンブル”TOWN & COUNTRY”の元メンバーであり、BIRD SHOW名義での作品でも知られる先鋭電子音楽家BEN VIDAもニュープロジェクト。鍵盤&打楽器ユニット”YARN/WIRE”との数回に渡るライヴパフォーマンスの末、NINA DANTEも合流しスタジオ制作。従来の領域外での音楽探求を志したアコースティックアプローチながら、4人の声を合成するメタボイスを使用するなど、電子音楽の手法も取り入れたトリッピーな室内楽に。あくまで声に寄り添うピアノ伴奏も独特。 (Akie)
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ソロとしては〈BOOMKAT EDITIONS〉からリリースした傑作アルバム「Echo」から2年ぶりとなるアルバム作品。物語的という意味合いでなく、聞き手が想像力を膨らませる作品として”シネマティック”な作風を志した今作。鍵盤ドローンアンビエントを背景にポエトリーが囁く「The Lake Is Speaking」。具体音楽と室内楽をクロスさせた「Pieces of Sylvia」など。
非現実的なリード楽器の重なり合い、サウンドの質感の具体性、その相反する要素を共存させて”聴覚野”を混乱。音としての作品と自分自身の生活、その差異への認識を鈍らせることで、没入できるアルバムになっています。電子音響作品、具体音楽としての精度も更新するディテール細かい録音とダイナミクス操作にも注目です、素晴らしい。 (Akie)
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CLAUDIO ROCCHETTI, STEFANO PILIAらとのバンドプロジェクト”3/4HadBeenEliminated”としても活動し〈BLACK TRUFFLE〉にも参加しシーンを切り開く電子音響作家VALERIO TRICOLI、ソロでは6年ぶり、待望の新作アルバムが登場しました!オープンリールデッキ”Revox B77”とリアルタイム編集/フィールド録音の手法を用いたコンクレート。ボーカルと楽器の最小限なジェスチャーを捉えて合成。抽象的な音の断片と具体録音というアンチテーゼをサウンドクラフトとして作り上げた聴覚概念主義の傑作。 (Akie)
同じく〈SHELTER PRESS〉より発表されたふたつの共作アルバムはリモート録音でしたが、今回は初となるブルックリンにて両者揃っての録音です。その効果もあってか、これまで以上にお互いに相手のサウンドに飢えた意欲的な音が特徴的。ラーガドローンやフリージャズ、アブストラクトに線化された持続音と、くっきり具体に浮き出るフィールド録音やポエトリー、アコースティック楽器。その両方をシームレスに同じ音世界へまとめ上げた名品。 (Akie)
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クレア・ラウジーの魅力。アレックス・カニンガム(バイオリン)、マリ・モーリス(エレクトロニクス、バイオリン)、マリル・ドノヴァン(ハープ)、セオドア・ケイル・シェイファー(ピアノ)の4人をフィーチャリングしたアプローチ。名作「Both」でも見せた、電子音、サウンドコラージュ、フィールドレコーディングを交え、音響設計、言葉、音、余白のようなもの、ゆったりとノスタルジックな音の物語の世界に深み、広がりを生み出しています。驚くべき才能。 (サイトウ)
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〈MURAILLES〉と〈SHELTER PRESS〉の共同リリース!演奏のジェスチャー(引っ掻き、振動、叩くetc)に焦点を当て、音楽でなくその動作を記録。各楽曲名に示されたあらゆるインスツルメントは本来的な演奏法を離脱。アンプの上に置き特異な振動を帯びたタンバリン、高速のメトロノーム、強く打鍵するピアノ、引っ掻くバンジョー。。。生じたノイズとリードは衝突し不協和音になりますが、楽器それそのものが持つ美しい響き、楽器同士が調和する瞬間の美しさは独特。『聴くだけでなく見ることが出来る音楽』との文言がありますがまさにその通り、手放しで推薦したい一枚、限定プレスです! (Akie)
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2017年のハイライトの一つであった前作アルバム「Hand In Hand」に続くソロ名義でのフルアルバム。日常のたわいもない瞬間に焦点を当てて拡大したような印象を受けます。詩の朗読やシンセサイザー、フィールドレコーディングに加え、マリンバやウッドベース、そしてギターなどの生楽器を過剰になりすぎない程度に丁寧に織り交ぜた独特なバランスの良さがすごく良い。それでも前作よりもすこし派手に、感情的に作られているように感じ、中でも1番大きな違いはラストトラック。Stephen O'Malleyのギターのフィードバックが情緒に溢れた素晴らしい演奏で、アルバムの最後を美しく飾っています。 (日野)
STEPHAN MATHIEU、AKIRA RABELAIS、OREN AMBARCHI、JAMESRUSHFORDなどの奇才らとコラヴォレーションを重ねながら、音楽理論家としてアカデミックな見地から現代電子音楽前線で活動してきたKASSEL JAEGERことFRANÇOIS BONNETの最新アルバムを入荷しました!彼のサウンドモチーフにもなっている幼少期に沼地にて一人過ごした原体験が結実。確かに存在したはずの動植物を存在/痕跡ごと飲み込む沼と、ギター/ストリングスの弦楽器・エレクトロニクスを飲み込む電子ドローン/ハウリング。電子アコースティック音楽を没入型音響に引き入れるようにコントロールされた音質やバランス。「Patience in Kassari」(sample2)など顕著ですが、じっくり耳をそばだてて埋め込まれた音を探りたくなる、沼です。素晴らしい。 (Akie)
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SHELTER PRESSから間も無くアナウンスされるという正式なアルバムの先行となるようなリリースだそうです。とはいえ「17 Roles (All Mapped Out)」。精密に立てた17のロール。というタイトルどおり、様々なフィールドレコーディング、情景と、正弦波のドローン、彼女の言葉、ハープ、弦楽器、終盤には、アコースティックギターも挿入され、夢中の短編映画のような、ストーリーや世界観が喚起される。静かに豊かで美しい音の世界。 (サイトウ)
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ソロで1990年代より独特な抽象化の世界を展開してきた2人が、即興演奏素材を6年の歳月をかけて音源化、現代におけるエレクトロアコースティックそして電子音響の外側の世界にまで踏み込んでます。打楽器やシンセサイザー、グリッチ、クラシックピアノ、サンプルソースを多層にレイヤード。曲名が示す通り、世界各地の風景をメタファー的に音として表現しており、厳格なミニマリズムによって聴き手の想像力も刺激。息を呑む美しさ。。 (Akie)
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オーストラリア生まれ、シアトル育ち、現在はニューヨークを拠点とするEliana Glassが、幼少期に両親が弾くピアノを下に潜り込んで別視点で体験し夢中になった体験を呼び起こすようにして生まれた記憶装置的作品。スタンダードから前衛ジャズ、フリー・インプロヴィゼーションへの敬愛を彼女の日常生活を通したニュアンスに。実験的で即興的な演奏に、曖昧に溶け込む電子サウンド。ため息のバラードや簡素なフォーキー、アネット・ピーコック「Dreams」やカーラ・ブレイ「Sing Me Softly the Blues」の新解釈、そしてエチオピアの修道女ピアニスト、エマホイ・ツェゲ・マリアム・ゴブルーへのトリビュート「Song for Emahoy」も収録した、魔法にかけられる11曲。1979年製Moog Opus 3でのソロ演奏も行っているといい、ブラジル音楽にも魅せられポルトガル語でも歌えるようです。今後も楽しみな方。トラックリストからもぜひ。 (足立)