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cero
e o
KAKUBARHYTHM
- Cat No: KAKU-172
- updated:2024-11-03
2023年5月24日にリリースされたcero最新アルバム「e o」が待望アナログ化!!!45回転12インチ2枚組(Blue Vinyl限定盤)ダブルジャケット完全受注生産。
Track List
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【SIDE. A】
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01. Epigraph エピグラフ
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02. Nemesis ネメシス
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03. Tableaux タブローズ
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【SIDE. B】
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04. Hitode no umi 海星の海
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05. Fuha フハ
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06. Cupola(e o) キューポラ (イーオー)
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【SIDE. C】
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07. Evening news イブニング・ニュース
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08. Fdf (e o) エフ・ディー・エフ (イーオー)
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09. Sleepra スリプラ
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【SIDE. D】
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10. Solon ソロン
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11. Angelus Novus アンゲルス・ノーヴス
真新しいものがなくなり、
ようやく、静けさのなかページが開く。
髙城晶平
これまでのceroのアルバム制作といえば、常にコンセプトや指標のようなものが付きものだった。それが自分たちのスタイルでもあったし、バラバラな個性を持った三人の音楽家が一つにまとまるには、その方法が最も適していたのだと思う。
ところが、今回に関しては、そういうものが一切持ち込まれぬまま制作がスタートした。コロナ禍によって世の中の見通しが立たなかったこととも関係があるだろうし、年齢的なことにもきっと原因はあるのだろう。一番は、三人それぞれが自分のソロ作品に向き合ったことで、そういった制作スタイルに区切りがついてしまった、ということなのかもしれない。
なにはともあれ、唯一の決め事らしきものとして「とにかく一から三人で集まって作る」という方法だけがかろうじて定められた。そのため、まず環境が整備された。はじめは吉祥寺のアパートで。後半はカクバリズムの事務所の一室で。
このやり方は、とにかく時間がかかった(五年…)。「三人で作る」とはいえ、常に全員が忙しく手を動かすわけではないので、誰かしらはヒマしていたりして、効率は悪かった。でも、その客観的な一人が与えるインスピレーションに助けられることも、やはり多かった。また、この制作はこれまででダントツに議論が多かった。シングルのヴィジュアルから楽曲のパーツ一つ一つにいたるまで、一体いくつメールのスレッドを費やしたかわからない。でも、そうやって改めてメンバー+スタッフで議論しながらものづくりができたことは、かけがえのない財産になった。楽曲を成り立たせているパーツの一つ一つが、セオリーを超えた使用方法を持っており、当たり前ながら、それら全てに吟味する余地が残されている。そんな音、言葉一つ一つに対する懐疑と諧謔のバランスこそがceroらしさなのだと、しみじみ気付かされる日々だった。
こうして今、何かが完成しつつあるのだが、これが何なのか、正直なところ、自分でも未だによくわかっていない。とりあえず、聴く度に発見があり、毎回違った種類の感動が残る。この感覚がいつまで残り続けるのかもわからないが、ひとつだけ確信を持って言えるのは、僕はこのアルバムが大好きだということだ。『e o』について語るべきことは他にもいくらでもあると思うけど、とりあえずこのへんにしときます。きっと一人で語り尽くすよりも、複数で語り合ったほうがより発見も多いだろう。制作がまさにそうだったので。
激しく儚く移ろいゆく世の中をみるにつけ、誰一人欠けることなくここまでこぎつけられたことの幸福を思わないわけにはいかないし、そのために尽力してくれた全員に、いつもながら感謝しかない。
ようやく、静けさのなかページが開く。
髙城晶平
これまでのceroのアルバム制作といえば、常にコンセプトや指標のようなものが付きものだった。それが自分たちのスタイルでもあったし、バラバラな個性を持った三人の音楽家が一つにまとまるには、その方法が最も適していたのだと思う。
ところが、今回に関しては、そういうものが一切持ち込まれぬまま制作がスタートした。コロナ禍によって世の中の見通しが立たなかったこととも関係があるだろうし、年齢的なことにもきっと原因はあるのだろう。一番は、三人それぞれが自分のソロ作品に向き合ったことで、そういった制作スタイルに区切りがついてしまった、ということなのかもしれない。
なにはともあれ、唯一の決め事らしきものとして「とにかく一から三人で集まって作る」という方法だけがかろうじて定められた。そのため、まず環境が整備された。はじめは吉祥寺のアパートで。後半はカクバリズムの事務所の一室で。
このやり方は、とにかく時間がかかった(五年…)。「三人で作る」とはいえ、常に全員が忙しく手を動かすわけではないので、誰かしらはヒマしていたりして、効率は悪かった。でも、その客観的な一人が与えるインスピレーションに助けられることも、やはり多かった。また、この制作はこれまででダントツに議論が多かった。シングルのヴィジュアルから楽曲のパーツ一つ一つにいたるまで、一体いくつメールのスレッドを費やしたかわからない。でも、そうやって改めてメンバー+スタッフで議論しながらものづくりができたことは、かけがえのない財産になった。楽曲を成り立たせているパーツの一つ一つが、セオリーを超えた使用方法を持っており、当たり前ながら、それら全てに吟味する余地が残されている。そんな音、言葉一つ一つに対する懐疑と諧謔のバランスこそがceroらしさなのだと、しみじみ気付かされる日々だった。
こうして今、何かが完成しつつあるのだが、これが何なのか、正直なところ、自分でも未だによくわかっていない。とりあえず、聴く度に発見があり、毎回違った種類の感動が残る。この感覚がいつまで残り続けるのかもわからないが、ひとつだけ確信を持って言えるのは、僕はこのアルバムが大好きだということだ。『e o』について語るべきことは他にもいくらでもあると思うけど、とりあえずこのへんにしときます。きっと一人で語り尽くすよりも、複数で語り合ったほうがより発見も多いだろう。制作がまさにそうだったので。
激しく儚く移ろいゆく世の中をみるにつけ、誰一人欠けることなくここまでこぎつけられたことの幸福を思わないわけにはいかないし、そのために尽力してくれた全員に、いつもながら感謝しかない。
前作「POLY LIFE MULTI SOUL」から 5年。メンバー3人それぞれのソロ作品のリリースを経て、バンドとしても個人ソロ・アーティストとしても充実した期間を経てのリリースとなった今作は既発シングル曲「Fdf」「Nemesis」「Cupola」「Fuha」 を含む全11曲を収録。録音・MIX は小森雅仁、アートワークは坂脇慶、マスタリングを山崎翼、カッティングは武沢茂(日本コロムビア)が担当。より進化深化した唯一無二の無国籍モダン・フューチャーな音楽世界を文学的に探求した名作。丁寧に施されたアナログ盤は装丁も含めて美しくしなやかな珠玉アートピースが完成している。 (コンピューマ)