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John Tchicai With Strings
S/T
Treader
- Cat No.: TRLP004
- 2022-06-14
小杉武久キャッチウェーブやライヒのDrummingなどの再発をしているアメリカの良レーベル〈SUPERIOR VIADUCT〉にて、今年SPACEMEN 3の一連の再発がされたのもあり再度注目されているJ SPACEMAN。どこかのフィールドレコーディングのようにも聴こえる少し遠くジャンクな音のギターやシェイカーのループがとても良い。元はCDで1曲35分で収録されていて、大胆にループを無くしたりいきなりノイジーになったりと驚きの展開でダイナミクスのある作品となっています。 (日野)
今までのポップ路線なABOUT GROUPを知っている人からすると今作の方向性に驚きかもしれません。これはSONIC YOUTHがインプロや実験音楽に傾倒しているときのようなものに近いかと思います。この作品ではBEATRICE DILLONとの共作やマスタリングエンジニアとしても知られるRUPERT CLERVAUXがCHARLES HAYWARDと入れ替わってドラムを叩いていますが、遡れば2009年に〈TREADER〉から出したABOUT GROUPのメンバーたちが集まって作られた作品(ABOUT GROUP名義ではなくメンバーそれぞれの名前が連なった名義でタイトルは「ABOUT」)もセッションから生まれたようなもので、当時からこのメンバー内で実験的方向性を試していたようです。ポップさも少し残しながらの実験的アプローチがとても良く、いい塩梅な大人のセッション。 (日野)
アンソニーブラクストンとのトリオのメンバーであり、デレクベイリーとも共演するアメリカのWADADA LEO SMITHが参加しているというのもすごいですが、それだけではなインプロ巨匠EVAN PARKER、ロンドンの即興インプロ界の重要人物でありcafeOTO周辺で頻繁に話題に挙げられるインプロトリオN.E.W.のベースJOHN EDWARDSも参加。それぞれが主張し合うのではなく、その瞬間に必要な音を置いていくような緊張感のある演奏。そしてそこに乾いたWADADA LEO SMITHのトランペットが入ってくる瞬間が鳥肌ものです。匠たちだからこそできる、崇高なセッション。 (日野)
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録音はJOHN TCHICAIにレーベルオーナーの2人JOHN COXONとASHLEY WALES、そしてドラム/パーカッションのMARK SANDERSという4人。それぞれが複数の楽器を演奏し、恐らくオーバーダブも多数していると思われます。JAZZ的なアプローチというよりは作曲作品を練って作られたようなもので、繊細でとても完成度が高く素晴らしい作品。情緒的なストリングスと泣きのサックスの絡みが極上で感動的…。ほぼ全曲試聴できるので聴いてみてください。推薦します。 (日野)