この数年はDJギグをメインにこなしつつリミキサーとしてのスタジオワークなどを手掛けて、VRILの単独リリースは約４年振り、〈GIEGLING〉からのシングルとほぼ同じタイミングでのニューリリース！〈FORUM〉からのデヴューアルバム「TORUS」の頃のサウンドに還ったようなメイントラック”Omniverse”(samplle!)を筆頭に、ジャーマン・トランスっぽいアルペジオが印象的なブロークン・テクノ”Paradigma”(sample2)や、ローファイでプリミティヴなサウンド・テクスチャーが心地良いラストのアンビエント~エレクトロニカな”Tzonqul”(sample3)もお薦めです。

これまでの深霧へ潜るようなフォギーな作風とガラッと変わり、熟年のジャーマン・テクノな気質が剥き出しになったようなトランシーな３トラック。緻密的なビルド・アップ、息もつかせない重厚な鳴りのオフェンシブ・ミニマル。

〈DELSIN〉からの最新シングルでは直球のジャーマンテクノを披露し、従来のディープ・リスニングなファンを驚かせたVRILの、自身初となるアルバム「TRUS」。彼のキャラクターとも云える、深い霧が立ち込めるかのようなフォギーな音像でありながら、機能性にも優れたアブストラクトなミニマルトラックもここでは健在。しかし、過去〈GIEGLING〉からリリースされた作品に比べると、格段と抜けの良さが顕著にあらわれた印象です。その分、エモーショナルなコード展開やハウシーなテンポのトラックなどにお目にかかれるという、アルバムとしても上手くまとめられた良作となっています。

匿名的ミステリアスな存在、GIEGLINGからの数枚のリリースで注目され、MARCEL DETTMANNの「Conducted」やMarcel Fengler の「 Berghain 05」にも楽曲を提供したVRILがSEMANTICAからリリースした2012 EPストックしました。アブストラクトな淡々グルーヴするミニマルトラック「Flux」、オブスキュアな空間を産みだすディープなＢ1「ÄÖÜ」辺りはフロアでの鳴りも新感覚、凄く良さそう。ストレンジなグルーヴの ZUM GOLDENEN SCHWARMとのコラヴォレーションb2の3 TRACKS。 (サイトウ)

どこか謎めいた存在ながらも、MARCEL DETTMANNのMIX CDへのライセンス収録や、mnml ssgのポッドキャストに登場したりとコアな人気を集めるVrilの、スタンピング「ＳＴＡＵＢ」シリーズの新作！低めをまったりとせめるアンビエントなダブテックの"８"、ジャーマン伝統のインダストリーな行進曲"１０"など粒の揃ったVrilの実験的ディープハウスを堪能できる。中でもやはり、フロア使いに突き抜けて最適な"９"（sample2）がオススメですね。 (カイハラ)