KONSTANTIN DJ DUSTINを中心にワイマールにあったクラブから命名され、TRAUMPRINTZやEDWARD、MATTHIAS REILINGといったプロデューサーらがリリースしてきたアンダーグラウンドレーベル〈GIEGLING〉ファミリーの若手の中で、LUXやELLI & CHRISSOといったフィーメールDJにたちに混ざって加入したミステリアス・ニューカマー・SA PAによるデヴューアルバム。もはやテクノとかアブストラクトといったメソッドの範疇を越えている、モノクロームなフリスキー・ノイズの濁流、フィールド録音の数々をレイヤーに用いながらもイメージの喚起を掻き消すように押し潰され走馬灯の如く浮かんでは沈み逝くレフトフィールドな音風景といったトラック群、それぞれにフォーカスするとそこはかとなくストーリーも感じとれる「風物詩」。全11トラック収録、レコメンドです。

〈GIEGLING〉の「Staub Serie」の５番リリース、SEMANTICAからのVRILのリリースで、VRILと共作をしていたミステリアスなアーチスト。L.I.E.S.あたりにも通じるハードウェアテクノのマニアックなサウンド。これは〈GIEGLING〉周辺追ってる人は必須でしょう。 (サイトウ)

〈DELSIN〉からの最新シングルでは直球のジャーマンテクノを披露し、従来のディープ・リスニングなファンを驚かせたVRILの、自身初となるアルバム「TRUS」。彼のキャラクターとも云える、深い霧が立ち込めるかのようなフォギーな音像でありながら、機能性にも優れたアブストラクトなミニマルトラックもここでは健在。しかし、過去〈GIEGLING〉からリリースされた作品に比べると、格段と抜けの良さが顕著にあらわれた印象です。その分、エモーショナルなコード展開やハウシーなテンポのトラックなどにお目にかかれるという、アルバムとしても上手くまとめられた良作となっています。