写真家である自身によるスナップを映像コラージュにまとめたPVも美しい、言葉遊び的なポエット・シンギングと不思議と安堵するメランコリックなソングラインが印象深いAサイド”Life Guarding”(sample1)は、彼の長年のコラヴォレーターであるベルリンの「TRIXX STUDIOS」のエンジニア・TIM KNAPPとED ASKEWの作品にもかかわっているピアノ奏者・JAY PLUCK、BRUNO BREITZKEとの3人によるセッション！そして、’17年にテートモダンで行われたティルマンスのサウンド＆ビデオインスタレーション「SOUTH TANK」を元に、ドイツの歌手アレクサンドラの’68年のヒット「SEHNSUCHT」のリリックを引用したというティルマンスの歌とスポークンワードをダイレクト・サンプリングし演奏するロスアンジェルスを拠点に活動するエクスペリメンタル・デュオ・WRECK AND REFERENCEとのコラボレーション、ポップなソングライン〜コードでファンクするエレクトロ・ボディー”Growing”(sample2)もオススメ。

ティルマンスのインスタレーションの要素の１つである映像とサウンドのコラージュ、17年秋にハンブルクのクンストヴェリンで開催された大回顧展で披露され、「SOURCE」と題された6つの異なる配列を1つの構成にまとめた実験的インスタレーションのオリジナル音源”Source (Original)”と、それを元にフランクフルトの才人・ROMAN FLÜGELがリミックスした長尺トラック”Source (Roman Flügel Remix)”をカップリングした怪作！

自身のヴォーカルを交えたポストパンク・80’sアヴァンギャルド・エレクトロ・ダビー・オルタナティヴ・ディスコなメッセージ色の強いキレッキレの全5トラック。インナー含めたアートワークも秀逸な自身のレーベルFRAGILEからのオリジナリティに満ちたコンセプチャル作品。トラックリストMusic Videoからもどうぞ。 (コンピューマ)

90年代初頭よりクラブカルチャーを切り取ったスナップを『i-D』誌などで掲載したことで知られ、概念の枠を越える斬新なアイデアと類を見ない深い洞察力と芸術性が評価され’00年にターナー賞を受賞、近年ではベルクハインのマンスリー・ペーパーや〈OSTGUT TON〉の"Zehn"のボックスセットなどのデザインを手掛けるなど、古くからテクノカルチャーと密接な関わりを持つWOLFGANG TILLMANSが26年振りに音楽活動を再開、まさかのレコード作品を発表。地元・レムシャイトの友人・バート=レスマンと18の時に組んでいたというポストパンク〜コールドウェイヴの流れを汲む'86年幻のの秘蔵音源(!)3トラックに加え、ハイデルベルグ社の印刷機"Speedmaster XL"の音をサンプリングしたという、ユニークでシニカルな自らのヴォーカルをのせた最新ハウストラック”Make It Up As You Go Along”(sample1)までの、全5トラックのEP！

ディスコ大師・DANIEL WANGとEGYPTIAN NIPPLESの１人・J.E.E.P.ことJULES ETIENNEと組んだリミックス・プロダクション、目映くエレクトリックでプリミティヴなレイトナイト・ブギーに仕立てた”Make It Up As You Go (Daniel Wang & J.E.E.P. Remix)”(sample1)、拙いピアノダヴ・バージョン"Make It Up As You Go (Daniel Wang & J.E.E.P. Dub)"(sample2)。さらにこの夏、ヒップホップ界で話題となったR＆Bアーティスト・FRANK OCEANからオファーされ、彼の久々のアルバム「BLONDE」のCD限定パッケージに付属したマガジンへの写真提供も行い、そのリリースを前に突如〈DEF JAM〉からファイル・リリースされたVIDEOアルバム「ENDLESS」のイントロ＆エンドロールに、TILLMANSのこのタイトルトラック”Device Control”が寸尺でフィーチャリングされてるのもオドロキでしかないです！他、LGBTコミュニティを狙ったオーランド＝ディスコ銃乱射事件への抗議を表したヴォイス・コラージュの”Angered Son”(sample3)など全６トラック◎