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Joe Jones
Solar Music Tent
Edition Telemark
- Cat No.: 785.05
- 2019-04-05
彼はENSEMBLE MUSICA NEGATIVAの指揮者/作曲家としても活動し、名門〈DEUTSCHE GRAMMOPHON〉から69年、70年にリリースしながらもその後の音楽活動は分からず、恐らく雑誌編集などの方向に集中していったのかと思います。こちらの作品は70年に〈DEUTSCHE GRAMMOPHON〉からリリースした作品の中の1曲「Chants De Maldoror」のオリジナルバージョンを収録していて、それが初期電子音楽を好きな人にはたまらない最高な音!!その曲以外全て未発表曲であり、A面には「Chants De Maldoror」のバージョン違いを収録、C面D面にもピュアで繊細な愛しい電子音たちが入っています。自分はどうしても欲しかったレコードで、ツボに入るとハマっちゃう作品。 (日野)
サウンドアート界隈ではよく知られているオランダ出身アーティストPaul Panhuysenによる約30年ぶりにリリースされた新作LP。この作品は2012年にベルギーで行われたインスタレーション「Pendulum Change Ringing」の録音となり、12個の金属の振り子が金属製のオブジェにぶつかっていく音がひたすら続いていくもの。その振り子達はそれぞれ違った長さの為、ぶつかっていくスピードがバラバラで、それが飽きさせない複雑なリズムを生み出しています。振り子のぶつかる音はそれぞれ違った音階で、不穏な不協和音のレイヤーが重なりつつも宗教的な雰囲気がありずっと聴いていたくなるトリップ感も有り。このレーベルEdition Telemarkは基本的に2-300枚の少数リリースで、こちらも300枚限定。他リリースも面白いものばかりで今後も要チェックです! (日野)
CONRAD SCHNITZLER関連作を数多くリリースする〈M=MINIMAL〉などから作品を発表してきたベテランミニマル作曲家であるERNSTALBRECHT STIEBLERの作品が、ドイツの素晴らしい実験的レーベル〈EDITION TELEMARK〉から登場です。シンプルなオルガンのレイヤーが重なり合う1980年に作られた未発表曲Kanon、そしてパイプオルガンの響きが自然と共鳴しているような素晴らしい3部作の曲Torsoから構成されるLP。ERNSTALBRECHTは音楽に感情を乗せないような発言をしているようですが、これを聴くと十分エモーションに溢れているように感じてしまう。 (日野)
JOHN CAGEやALVIN LUCIER、JACKSON MAC LOWやDAVID TUDORなどを尊敬し、ヨーロッパ内で電子音楽のライブを行ってきたベテランPETER BEHRENDSEN(1943年生)。コウモリの超音波を拾ってそれを人間の耳で聴こえるところまで周波数を下げて作られたA面の「Nachtflug」、中国の哲学者Zhuangziによるテキストに触発されて作った風をテーマにした声を変調させて作られたコンポジション「Atem des Windes」の2曲で構成された作品。なによりもA面のサウンドがすごい。ただ変調させただけではなく、細かいDELAYの演奏も入っていてめちゃくちゃカッコイイです。 (日野)
20世紀初期の実験的アーティストLUIGI RUSSOLOが作り出した騒音芸術装置「イントナルモーリ」を使った舞台作品を作ったりするなど、実験的な表現を行う2人がインドの伝統と前衛を融合させる実験を行った記録。ジャケットにもあるような自作の筒から発生しているだろうと思われるディジュリドゥに似た低くズブっとした音とミニマルなシタールの音のコラボレーション、他にもタブラや声、管楽器などの細かな音の集まりを聴かせるところだったりと、どこを切り取っても音楽的にも高い水準を保っていて実験的でありながらとても聴きやすい作品。 (日野)
ANGELという名前で90年代から活動しているILPO & DIRKの2人。MIKA VAINIOが亡くなった後からはdie ANGELと名前が変え、SHAPEDNOISE主宰のレーベル〈COSMO RHYTHMATIC〉からOREN AMBARCHIとの共作アルバムを1枚リリースしています。今作では製織機の一部、ベンチと2つのバーベキューボウルから作られたILPO特性の弦楽器などを使用していて、オーバーダビングも無し。そして彼らからすると「エレクトロアコースティックブルースアルバム」との事。ブルースかどうかはさておき、PAN SONICやI-LP-Oとは違った方向のILPOのエクスペリメンタルな探求をたっぷりと堪能できます。音源とは関係ないですが、貼り付けている動画は今年のSONARでのライブ動画でして音源よりももっとノイジーにリズミックでPAN SONICの方面にも近いものを感じます。 (日野)
トロンボーンのHILARY JEFFERYやエレクトロニクスのRALF MEINZをはじめ、微分音を引くことができるチューバや自作楽器の管楽器、そしてヴォーカリストから成るTONALIENS。Hayward Tuning Vineという微分音のドローンを作り出すソフト(http://www.tuningvine.com/?lang=jp)が発表され、その後微分音の探求の為にTONALIENSは結成されたよう(因みにそのソフト製作者ROBIN HAYWARDもメンバーであり、このソフトがとても興味深い!)。1枚目はアムス録音、2枚目はベルリン録音であり、アムスのみインド音楽に魅了されたヴォーカリスト/コンポーザーのAMELIA CUNIが参加。不穏な微分音ドローンはSTEPHEN O'MALLEYのオーケストラなどでの探求ともリンクし、AMELIA CUNIのヴォーカルが入ったサウンドはLA MONTE YOUNGの瞑想的世界にも近い。こういった音の実験を〈EDITION TELEMARK〉がしっかり紹介しているのは素晴らしいです。レーベル買い推奨。 (日野)
サイケデリック・ミュージック・ファンの間で神格化されてきたFLUXUSのJOE JONESの名作のひとつ、「Solar Music At Sierksdorf, Ostsee」。1984年ジールクスドルフの浜辺での録音。15部のみだったオリジナルのカセットテープ、〈? MUSIC〉からの再発CDに続いて、200枚限定でEDITION TELEMARKからアナログがリリースされました。リリースされていることに気付くの遅くなりましたが、ぎりぎり間に合い、レーベルの最終ストック全部譲ってもらいました。ソーラ―パワーを使った自作の自動楽器の演奏、波の音や鳥、周囲の音のフィールド・サウンドも含めての録音。シャーマニックなトランス音楽のようでもあり、宇宙の摂理を音源化したかのような変性意識に作用する恍惚の音楽でもある。何故ここまで凄いのか。思考では理解できません。他に何も聴けなくなってしまうような強度の中毒性があります。EYEさん、はじめ多くの人が敬愛してやまない偉大な音楽です。個人的にも音楽人生に深く刻印された忘れることの出来ない音体験でした。是非多くの人に聴いて欲しいです。 (サイトウ)
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82年の4月の昼下がりに行われたJOE JONESによるソーラーミュージックコンサートの様子を収録したレコード。楽器の構成、天気、時間帯、季節が作曲として取り入れられたもので、マンドリンやグロッケンシュピール、ボンゴやタンバリン、ウインドチャイムなどを使っており、写真を見ると吊るされたボールがソーラー発電によって動いて演奏をしているようです。しかしながらその”演奏”は霊的、瞑想的なもので、同時多発的に各楽器が奏でられているのが奇跡的バランスでじっくりのめり込んで聴いてしまう。単なる自動演奏の音楽とは違う、なにかが乗り移ったような凄みがあり完全に音楽的であることに驚きです。写真やSolar Music Tentについての説明書き(?)ノートや写真、パンフレットなどが入っている限定200枚。少量のみ入荷、今後入るかはわかりません。たまに引っ張り出して聴きたくなる、持っていて損のない一枚です。 (日野)