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Léonore Boulanger
Practice Chanter
Le Saule
- Cat No.: LSL40LP
- 2024-09-20
パリで演劇、実験ジャズ、インプロビゼーション、ペルシャ/イラン音楽を学び、アフリカ音楽や、ジョージ・クラム、伊藤 貞司、ハリー・パーチ、メレデス・モンクに影響下の彼女。よく映像的、詩的という喩えは使いますが、ここまでシネマに振り切った作品はないです。イメージを捉えようとしたら逃げられ、の繰り返し。音の残滓、さらに残るのは美しい声・声を音として捉えているのか、シャンソンの流れなのかは不明ですが、不思議な呪文のようでもあり、妖精の歌でもあります。 (Shhhhh)
Track List
インドネシアと一言いっても多言語/多民族、タイトルを聞いた時どうやってまとめるんだろうって思ってましたが、なるほどこれは彼が赴くまま旅して出会い録音、録画した場面瞬間を徒然につなぎとめたロードムービー。学術的な要素よりも、現地の音と映像そのものに驚いて繋げた現場感が伝わり、そして下手な文章の解説よりも饒舌にフォルクローレ・現象が伝わります。曲目を見るとFuture Terrorや橋の下世界音楽祭にも出演したSENYAWAや、クロンチョン(ポルトガル領の影響下で進化した世界最古のポピュラー音楽)の現役グループ、ORKES KERONCONG CAFRINHO TUGUの名前もあり、そこにいきなりバリ島のケチャが入ったり。そこを細かくクレジットしないで並べてるのもVincentらしい編集でしょう。彼はVoodoohopのフェスでもvjしたり色々繋がってますね。ロシア、ペルーに続いての一風変わった外側の不思議なフィールド作品。ワールド系興味あるけどどこから聴いてみれば?みたいな方にもこの辺からどうでしょうか。ベルギー/フランスの変わったレーベルLe Sauleからのリリースというのも面白い。末長くレコード棚に置いておきたい一枚。尚、ここに収録の音源は彼の主催のPetites Planètesのウェブサイトで全編を確認できます。 www.petitesplanetes.earth (Shhhhh)
・ちょっと素晴らし過ぎたアルゼンチンの電子フォルクローレユニット、ルラクルサとのコロンビアルーツ音楽紀行の映像を"A traveling visual album"と言い切ったセンスにはっとさせられました。こちらはビンセント・ムーン自身がロシア連邦各地の"CHANT(声)"を録ってきた録音集。その"CHANT(声)"の音響解釈は、例えばsublime frequenciesのオルタナ感や、KINK GONG&RASHAD BAKERのような先端異ミニマル解釈と違い、さすがは映像作家ということでシネマティックで詩情的。音響だけでなく歴史や文脈も匂わせるような底に横たわるインテリジェンス、そしてそれらと言語を超えた音楽的感動といったフィールド・レコーディングの楽しみの最先端を提示してくれています。映像は各々PCで楽しんでください、といった今日的な付き合い方も提示されてる気もしますね。欧州のトラッド・フォークは素晴らしいのですが、どうしてもアフリカものや南米モノに比べて音響的なインパクトで地味に思えてしまうことがあるのですが、こういった提示の仕方もあったのかというのも発見です。様々な死角を突いた非音楽家によるドキュメンタリー。DJで早速使いましたが音もばっちりです。LPのみ。 (Shhhhh)
個性的なアーティストのPVだけでなく、ロシア(オセチア、ダゲスタン共和国、チェチェン共和国)、ブラジルはレシーフェ(パラー州のビヨンセことガビー・アマランチスのライブは必見! https://www.youtube.com/watch?v=xZurp_HAcP4 )、2015〜16年のFuture Terrorでのカウントダウンパーティにも出演し、モルフォシスも自身のレーベルで紹介する、センヤワのライブドキュメント(https://www.youtube.com/watch?v=1mm0u2dQhQw)。他にもハイチ、フィリピンなど様々な"辺境"の音楽を撮り回り、蒐集する音楽紀行を"A traveling visual album"といい独特のスタンスを確立した彼。
最新の仕事はどうやら2016年亡くなったブラジルのレジェンド、ナナ・ヴァスコンセロス(https://www.youtube.com/watch?v=cy0ugGXX4Z8)のようです。
今までペルー現地盤で散々フォルクローレを掘ってきましたが、コレは音楽家ではなく映像作家の記録ということで、「ワールドミュージック」とは感覚が異なる録音作品となっております。
リマ、フニン、アヤクーチョ、アレキパ、クスコ、ウカヤリ、ロレートの各地で録音され、映像作家が嗅ぎ取るフォルクローレの霊性をヴィジュアライズし音盤に落とすという不思議な映像∞音楽。蘊蓄のあとに残るのは歌の素朴な優しさ、ということで素晴らしいフォルクローレの作品集です。
LPのみ・DLコードつき。今年の問題作、Feigen Feigenをリリースしたレオノール・ブーランジェらが所属するLe Sauleからのリリース。前作同様、動画と一緒にお楽しみください。( (Shhhhh)
パリ/ベルギーのアヴァン地下シャンソン、Vincent Moon周辺でもあり孤高のレーベルであるLe Sauleから久々の逸品、、忘れてた頃に美しすぎる作品を届けてくれました。Gaspar Clausとの共演盤も素晴らしかったフランスのボーカリストMarion Cousinと、なんとEric Chenauxとも共作を出しているÉloïse Decazesとの共作。このÉloïse Decazesも面白くて、イタリアの現代作曲家ベリオによる、妻に捧げた世界フォルクローレ集アルバムのカバーなど演ってますね。
そんな両者による、ユネスコによる消滅危機言語ランク”危険”のシグナルが灯されたミランダ語の伝統歌の楽曲集。もちろんLe Saule独特のアヴァン / 尖り具合もありますが、伝統音楽独特の暗さと呪とそして優しさが根底にあり、ヨーロッパの独特のセンス / 尖り方ですね。ハイセンス。19世紀イギリスの鍵盤楽器コンサーティーナとブルブルタラングという大正琴がルーツのインドの琴のサウンドもフィーチャー。面白い〜! (Shhhhh)
アルゼンチンのある時期の雰囲気を思い出す、どこか知らない街の村祭りに迷い込んだような白夢中。彼のギターやコーラス、繰り返すチャントそしてリズムは時折西洋音楽以外からきてる(例えばモロッコのグナワ音楽のフレーズ)のは今までのスタイルなんですが、今回は亜種なモロッコ音楽のカセットも衝撃だったBégayerと女性コーラスグループMÉGALODONS MALADESの参加で、個人的には暗い印象だった旧作から抜けてさらにレイヤーが拡がっています。月並みな言い方ですがオルタナティブ、としか言いようのない孤高の詩作のような。映像作でもみてるかのよう。ただし、自分の内面を曝け出すかのようなプライヴェートな雰囲気ではなく、様々なフォルクローレ(どこの地域とかではなく)にある素朴な親しみやすさと土着感がコラージュされていて、この辺が惹き付けて止まないんでしょうかね。アクサク・マーブルやブリジット・フォンテーヌやサラヴァ諸作のパリの地下の水脈、決して太くはないが確かに感じます。すごい。 (Shhhhh)
MARION COUSINが選んだスペイン・イベリア半島トラッドを料理する今回のパートナーはSourdureの所属するKAUMWALD。Sourdureは改造バイオリンでフランスの民謡/シャンソンをズタズタに切り裂く作風で奇作も出してますがここで名前を聞くとは驚き。MARION COUSINのイベリア半島な美しいボーカルの背景に不穏かつ尖った電子音が走り不思議な幻想を抱かせる。ブニュエルの映画が引き合いに出されてますが、果たしてこの時代にまた独創な詩作を披露したもんです。アートワークといいこのレーベルの尖った感性はフィジカルでどうぞ。 (Shhhhh)
ついにwindbellから日本でもリリースされた才女、レオノール・ブーランジェの前作、"SQUARE OUH LA LA"。"Feigen Feigen"の爆発前、かろうじて歌ですが既に非凡な才能を発揮しています。あまり言葉にしすぎると逃げてしまう音楽。 フランス語、ドイツ語、そして何語でもない言語で歌い、1912年に出版されたカンディンスキーについた書かれた文献にインスパイアされた模様。 パートナーであり、前作もプロデュースのジャン・ダニエル・ボタの操るアゼルバイジャン、イランの伝統楽器の響きが非欧州的なフレーズやミニマル感を醸し出しますが、それも彼女の世界観に見事に取り入れられてます。 (Shhhhh)
ニュートンでも受けた才女、レオノーレ・ブーランジェのサウンドの魔法の掛け人がこの人。ギターの響きに内省的なボーカルなんですが、たまにブズーキやンゴニといった伝統楽器をギターのように操り不思議な空間を生み出しています。ミニマルなフレーズはマグレブ音楽の引用だったり、、非西洋のリズムや音階をもとからあった空気のように操る才人ながら、エキゾなイメージを押しつけずに取り入れる絶妙なバランス。この手にありがちなナルシスティックな世界に突っ走らず、1曲は2.3分で凝縮されつつも最期には素朴なギターの暖かい音色が印象に残る素晴らしい作品。仏インディの草分けのサラヴァ諸作の幽かなアヴァン性と実験ジャズ精神も見え隠れ。シンガー・ソングライターというか新しいシャンソンって現地の評なんですが、とにかくアルゼンチン諸作の次の空気を感じますね (Shhhhh)
レオのパートナーでもあるジャン・ダニエル・ボッタの16年作、邦題にすると『チビ牝ラクダへの信仰』。前作"Ammi-Majus: Grand Gouter"は、怪才人集まるLE SAULE諸作のなかでも暖かみのあるギターが印象的なコンテンポラリーシャンソンでリピートしてました。今作は"Feigen Feigen"の予兆ともとれる出来。コラージュと朗読、擬音語∞オノマトペとミニマリズム、そして民族楽器の遠い響き。非西洋圏の音色と調べをコラージュして絵画的に活かしてる感じは、ダンスミュージック的手法ではなくサラヴァ諸作、フレンチ・アヴァンミュージックの流れでした。 インドのサントゥール、バグパイプも飛び交うアヴァン・シャンソン。2010年代以降の"歌"がどう進化するかの極北の例をみるようです。夢日記のような音日記。PVもまた不思議ですね。 (Shhhhh)
〈LE SAULE〉の主要アーチストの二人。JOHN FAHEY, JIM O'ROUKEファンにも聴いてほしいギタリストPHILIPPE CRABと、トラッド、フォーク的サウンドにインド古典の要素を持ち込む様なちょっと特殊な世界を繰り広げてきたベルギーのANTOINE LOYER。二人のギターと歌。何曲かの歌詞は友人からもらった手紙や蚤の市で発見したポストカードの数々に記されていた文章に曲をつけたもの。マリオン・クーザン(歌、ピアノ)、オーレリアン・メルル(メロディカ)、ローレン・セリエス(パーカッション、カリンバ)といったル・ソールの仲間たちの参加に加え、子供たちが歌い、口笛を吹き、ロンメルポットを奏でる楽曲などヴァラエティ豊かな楽曲が収録されたサウンドトラックのような風合いも感じられる作品。 text by WINDBELL
コンテンポラリーな歌(シャンソン)のジェントルな響、音を楽しむ空気の中に垣間見れる、圧倒的にテクニカルなアヴァン感覚。フランス語の二人の天才シャンソン兄弟('Fraternelles)が繰り広げる素晴らしいセッション。改めて〈LE SAULE〉関連の音楽の素晴らしさに魅了されました。今最も刺激的な音楽性、質の高さ。推薦です。ライヴ凄そう。見たい! (サイトウ)
2014年にリリースされた「CHANT DE RECRUTEMENT」が話題となったベルギー仏語圏SSW・ANTOINE LOYERのファーストアルバム入荷しました。セカンド同様メランコリックな歌声とアコースティックギターを軸に、口琴・タブラ・ハルモニウム等を使用し、フリーフォームなサウンドメイクを展開しているところから既にその才能の片鱗が伺えますが、初期衝動的好奇心に溢れているのが本作の魅力です。その多様なインスツルメンツで、フォークの範疇を超えてワールドミュージックからミュゼットまで取り入れてます。メランコリーな世界観と表現されるアーティストですが、イノセントとも表せるようにも思うほど、楽器ひとつひとつが重なり合いながらも際立って素直な鳴り。仏語の発語がもつ奇妙な美しさにも改めて気づかされるアーティスト。素晴らしい。 (Akie)
画家、VHS作家、ノイズパフォーマーそして作詞作曲歌手という多彩な顔を持つバンジャマン・プティ・ドロールのファーストアルバム、ストックできました。端的に述べるとシャンソンやフォークを、ノイズ・SE・コーラス(?)・悪声ヴォーカルそして多様な楽器でぶっ壊したアルバム。暴力的創造性でぶっ飛んだコラージュ・ワーク。ツール的短尺トラックも数多く収録されていたり、ポップが根底にあったり、キワモノというよりは音の詰まった愉快なブラックボックスに近いような。フリンジ付きのジャケットも完全DIY仕様(ポスカでペインティングされてます)。 (Akie)
レオノール・ブーランジェやフィリップ・クラブ、アントワンヌ・ロワイエたち、フランスの先鋭的なミュージシャンから、ヴィンセント・ムーンもリリースに関わるレーベル〈LE SAULE〉から、レーベルきっての異才、写真家で、グラフィック・アーチスト、映像作家でもあるマルチ・タレントBENJAMIN PETIT DELORのニューアルバム!フォーク、シャンソンやヨーロッパのトラッド・ミュージックの中に、インド古典や70sブラジル音楽にもつうじるような要素も潜んでいるような、サイケデリックスが根底にあって、ユニークな実験感覚でアウトプットする。オルタナティヴなワールドミュージックの新しい波。LE SAULEめちゃくちゃ素晴らしい作品の宝庫なので絶対チェックして! (サイトウ)
DJ SHHHHHや、前作を国内リリースした〈WINDBELL〉、コアなレコードショップの後押しで日本でも浸透してきたフランスの〈LE SAULE〉。レオノーレの新作です。レーベルのコアとなるジャン・ダニエル・ボッタ、ローラン・セリと前作と同じラインナップ。「歌の練習(実践)」と名付けられたタイトルどおり、歌、発声、オノマトペ、言葉遊び、日本語の歌まで、おもちゃのピアノやタイプライタ)ー、カシオトーン、パーカッション、中国のひょうたん笛、モンゴルの口琴なども使用しながらユニークな音の感覚をアウトプットしています。現在音楽のエンターテインメント。ワールドミュージックへの取り組みでで培ったリズムや、コラージュのような音のレイヤーが産み出すマジカルなサウンド。実験的でたのしさに満ちた素晴らしいアルバムだと思います。 (サイトウ)
アコースティック・ギターとメランコリックなボーカルのほの暗いSSW。ですが、ドラムではなくマグレブ音楽で用いられるベンディールやインドのタブラが使われたり、ハーモニウムがまるでアコーディオンのように奏でられ、ボーカルもブリティッシュ・フォークや仏のサラヴァ諸作のような佇まいからラジャスタンの歌唱方を行ったり来たりとトリップしつつ、チューブラーベルの教会の鐘の音にまた我に返る。ピアノとボーカルだけの曲も完全に世界観をものにしてます。曲もバッハから、ベルギーのトラッドをアレンジしたり、ポール・エリュアールの詩に曲をつけたりと、まさにコンテンポラリーなセンスと才能を兼ね備えた現代の吟遊詩人が発掘されたといえます。欧州トラッド・フォークやアルゼンチン諸作を乗り越えた新しい形のシンガー・ソングライターです。PVもヴィンセント・ムーンが撮影していたりとこの辺りのコミュニティも面白そう。 (Shhhhh)
ヘンリー・フリントとコンゴトロニクスが出会った様な、どパンク・変拍子・アヴァン・ギター・ブルースな一曲目から最高。今のところカセットのみのリリースです。 (サイトウ)
デュオJUNE ET JIMでも活動し、ヴィンセント・ムーン監修の民族音楽コレクション「Chansons De Russie」や「「Chansons De Peroue」のジャケットも手掛けたヴォジュアル・アーチストで絵描きで、マルチ・ミュージシャンでもあるBORJA FLAMES。2016年のアルバム・ストックしました。この人良いです。アーサー・ラッセルやロバート・ワイアットにも通じるようなエクスペリメンタル・ポップ。 (サイトウ)
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DJ SHHHHHや、前作を国内リリースした〈WINDBELL〉、コアなレコードショップの後押しで日本でも浸透してきたフランスの〈LE SAULE〉。レオノーレの新作です。レーベルのコアとなるジャン・ダニエル・ボッタ、ローラン・セリと前作と同じラインナップ。「歌の練習(実践)」と名付けられたタイトルどおり、歌、発声、オノマトペ、言葉遊び、日本語の歌まで、おもちゃのピアノやタイプライタ)ー、カシオトーン、パーカッション、中国のひょうたん笛、モンゴルの口琴なんかも使いかつては現代音楽だったとかの領域に突入します。現在音楽のエンターテインメント。ワールドミュージックへの取り組みでで培ったリズムや、コラージュのような音のレイヤーが産み出すマジカルなサウンド。実験的でたのしさに満ちた素晴らしいアルバムだと思います。 (サイトウ)