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Riccardo Sinigaglia
Ambient Music
Soave
- Cat No.: Soave022
- 2024-05-17
民族音楽と電子音楽。実験音楽が交錯するイタリアの再評価され続ける音楽家Riccardo Sinigagliaの最初のソロ作品。
Track List
Track List
イタリアのレーベル〈SOAVE〉によって80年代のイタリアのミニマルシーンの素晴らしい音楽がたくさん紹介されていますが、このO.A.S.I.も例によって素晴らしい。色々な音楽が交じり合いながらもオリジナリティを確立していて、他に例えることができない特殊な音楽となっています。電子音やミュージックコンクレートの手法を使いながらもアフリカからの影響があるようでもあり、オリエンタルでエキゾな響きもある作品。1985年に発表された作品で、O.A.S.I.はこの一枚しかリリースしなかったようです。他の作品も聴きたかった。 (日野)
国籍不明なトラディショナルのミックス、曲によって多種多様な楽器を演奏していてプログレッシブなようでプリミティブでもあるようなパラドックス。しかしながらMUSCI & VENOSTAの音楽的懐の深さを味わうことのできるもので、音楽的探検心が垣間見える刺激的な好作。日本だったと思ったらインドネシア、けど気づけばEDGAR VARESEの名前も入れられたコンロンナンカロウ的ラテンシンフォニー曲に!?聴いていると足元がふらつきここがどこだか分からなくなる、ナチュラルにドラッギーな体験をしてしまう音楽の世界探検。 (日野)
2017年からスタートした最注目レーべル〈SOAVE〉の記念すべき一つ目のリリースは、GIUSTO PIOによるオルガンを基盤にしたシンプルでスピリチュアルとは少し違う方向のエレガントで瞑想的なドローン作。プロデューサー/コンポーザーであるFranco Battiato(彼の初期作品の数作は2017年にアメリカの良レーベル〈SUPERIOR VIADUCT〉によって再発)をプロデューサーに迎えて制作されていて、オリジナルは79年に〈CRAMPS RECORDS〉からリリース。音数が少ないながらもオルガンで音を埋められヴァイオリンと声が溶けるように混じり合っていくA面。そしてB面は同じくオルガンを基盤にしながらも、たまに弾かれるRoberto Cacciapagliaのようなピアノの調べにハッとさせられる。〈SOAVE〉は全て素晴らしい。これも大推薦。 (日野)
オリジナルは1980年に発売、その後1987年にプライベートプレスされ、今回が初めてのレコードでの再発となります。インド音楽からの影響もあり、Raga occidentaleと名付けられたA2ではミニマルなリフがリズムボックスの上に乗り、さらにシタールや笛も奏でられていく17分の大作。B1ではオルガンを使い、華美過ぎない中で進行しミニマルなノスタルジックなサウンドで初期OPNなどにもリンクできそう。続くB2ではピアノとエレクトロベース、シンセサイザーでフィリップグラスにも近いミニマル曲。他にもB4のアンビエンスなシンセのシーケンス曲など素晴らしいです。 (日野)
約10年もの間、ROBERTO MUSCIはアフリカ、インド、近東などを周り、現地音楽の習得やフィールドレコーディング、楽器の収集を行った末、1980年代初期にイタリアに戻る事となります。そして、その集大成として制作されたデビューアルバムThe Loa Of Musicが84年に発表されました。現地録音とスタジオ演奏を交えたこの作品はあらゆる文化の多様性を備えており、それが丁寧に絡み合わせられ驚く程の美しさを持っています。このリリースではオリジナル盤でカットされた曲が足され、2LP約80分ものボリュームとなります。2017年に〈SOAVE〉から初めての再発がされ、既に高額で取引されていますが今年になって少量リプレスされたものをストックできました。少々高めな値段ですが絶対に聴く価値があります。本当に素晴らしい。大推薦です。 (日野)
クラシックギターやパーカッションを学び、舞台や映画、ダンスの作品などを提供していたイタリアの作曲家DANIEL BACALOV。その彼が84/85年に制作して発表した二枚のアルバム「Diario Segreto Contraffatto」、「Il Ladro Di Anime」を収録したものがこちらとなります。細かいところまで練られたリズムでミニマルに聴かせながらも、アカデミックな方向ではなくとても心地よく聴く事のできる常夏の音の響きの作品。しかしながら音楽性は多岐に広がっていてすごく面白い!Tracklistからも他の曲を聴いてみてください。 (日野)
オリジナルは89年発売であり、それもCDのみであった作品が〈SOAVE〉の手によりレコードでの再発となりました!サンプリング音や生のパーカッション、そしてドラムマシンやピアノ、声、シンセサイザーなどが曲によって適所に使われていて、あえてチープなサウンドにしたり芳醇な極上サウンドにしたりとそのダイナミクスにもワクワクする。静けさの中から浮かび上がる音、じんわりと染み込むようなシンセサイザー、そして時にリズミックになるアルバムの展開も素晴らしい。詰め込みすぎない余裕のある作曲で心地よく聴くことができ、さらっと何度も聴けてしまう極上盤。 (日野)
Drums、Percussion、Bass, Bass、Guitar、Sampler、Tape、Computer、Synthesizerと数々の楽器を使うマルチプレイヤー/作曲家のBEBO BALDANによる91年作アルバム!ドラムなどの生楽器を基盤にしながら、過度になりすぎない程度の適度な電子音がアクセントが効いていて素晴らしい。MONO FONTANAやジスモンチ周辺を好きな人にもお勧めしたいもので、廃れる事のない確かな作品です!それもオリジナルには収録されていないボーナストラック(A4&B4)の2曲とも良い! (日野)
MARIO CICCIOLIによって作られたエオリアンスカルプチャー(エオリアンハープのように風が吹いて自然に音がなるもの)の音を基盤にし、FRANCESCO PALADINOとPIER LUIGI ANDREONIの二人がサンプラーやシンセサイザーを使って作りこまれた作品。なんと言っても荘厳な響きをしながらも、シンセサイザーの響きとの絡みが面白いA1とB3の長編Aeolyca Part 1、Aeolyca Part 2が素晴らしい。JON HASSELLやKINK GONGなどのような世界観にも通ずるものがあると思います。推薦! (日野)
Gabriele Bombardini、Nicola Peruch、Matteo Scaioli、Max Vicinelliという4人によるELECTRONIC MODULAR ORCHESTRA。MOOGやEMU、Prophetやモジュラーなど多数のシンセを駆使しており、バルトークやストラヴィンスキーからスティーヴライヒ、サイケロック、ジャズや即興音楽からのインスピレーションを受け、その引用をするなどして制作したもの。即興と作曲のバランスが刺激的で、アバンギャルドなものからラスト曲(Sample1)への流れも良い。 (日野)
オーボエやハープ、シンセサイザーの奏者であるROBERTO MAZZAが91年に発表した作品。ジャケットを見ると中国?的なイラストで、アルバムの内容も西洋とは少し違うオリエンタルな響きをしています。プログレっぽい謎展開な曲にノスタルジックなオーボエを奏でていくなどしている曲などあり、その中でも意外なパーカッションのリズムやシンセサイザーメインの曲などがニューエイジっぽさもありながらも独自の成長を遂げてて特に面白い! (日野)
クラウトロックからも影響を受けていそうな70年代バンドサウンドで、サイケデリックでありながらも神秘的なサウンドでKENNETH ANGERの映像にも合いそう。A面はCAN好きも反応しそうな曲で、恐らくジャムっぽく即興的に録音しながらもそれを素材に後から作り込んでいるのではないかと思います。中でもB面の約18分の大曲Le Oscillazioni dell'Universo Giovane(直訳で「若い宇宙の振動」、sample1&2)はシンセサイザーのアバンギャルドでスペーシーな音をメインに作られたもので、次々と展開が移り変わっていき壮大な曲となっています。 (日野)
2017年からスタートした〈CINEDELIC RECORDS〉のサブレーベルである〈SOAVE〉の第2弾として発売されたWOLF VOSTELLの1982年作のミュージックコンクレート作。シュトックハウゼンやナムジュンパイクとの出会いから電子音楽への興味を持ち、制作を始めたWOLF VOSTELLがこれまで作り溜めていた音素材を使って制作した作品となります。街の喧騒や金属の重なる音、ラジオの音などを取り入れていて、特にラジオの発信音がすごくかっこいいです! (日野)
Track List
シンガー、ダンサー、パフォーマーなどの顔を持つMARCO DALPANEと、ダンス作品や映画などの作曲を行うピアニスト/作曲家のTIZIANO POPOLIの二人によって制作されたScorie。時間をかけてゆっくりと構築して音数を増やしていくミニマルな展開。スティーブライヒやフィリップグラスから影響を受けたような部分もあり、アカデミックに作られながらも固くなりすぎず少し頭を柔らかくして作られているのが良い。B1(sample1)は特に素晴らしく、展開の驚き、感動があるのでサンプル音源フルで聴いてみてほしいです。やはり80年代のイタリアのミニマル/アバンギャルドな作曲家たちは本当に素晴らしい。イタリアのレーベル〈SOAVE〉はレーベル買い必須です!こちらも大推薦! (日野)
ライオンジャケのROBERTO MUSCIのデビューアルバム「The Loa Of Music」が当店でも人気ですが、こちらの1988年作「Urban And Tribal Portraits」も負けず劣らず大名作。このアルバムは、同じく〈SOAVE〉から素晴らしいリイシューをされたアルバム「Olympic Signals」でも作曲家としての才能を存分に発揮しているGIOVANNI VENOSTAとのコラボレーションの作品です(Olympic SignalsにもROBERTO MUSCIが参加しています)。ROBERTOが録りためたフィールドレコーディングに乗せる叙情的な響きの重なりは感動的で色褪せないもの。大推薦!!Tracklistからもどうぞ。 (日野)
これまでCHEE SHIMIZU氏の〈17853 RECORDS〉や、86年にリリースした名作「Riflessi」を〈SOAVE〉が再発するなど近年注目を集めているRICCARDO SINIGAGLIA。そのRICCARDOが空間系エフェクトなど多様するアヴァンギャルドギタリストMAURIZIO ABATEとの共作アルバムをリリースしました。片面長編の1曲ずつを収録しており、ニューエイジ/スピリチュアルなサウンドからスケールの大きなアヴァンギャルドな方向へ行き来していく。左右のPANの振り方などMIXも凝ったものになっています。 (日野)
イタリアの作曲家RICCARDO SINIGAGLIAが初期に作った、フィールドレコーディングやサンプリングコラージュ、電子音などを使って作られ初めてレコードリリースされた86年作。未知なジャングルに迷い込んだかのような不思議電子音体験。スケールが大きく初期衝動に溢れた思い切ったダイナミクスの電子音の展開にびっくりすることが何度もあります。過去と現在、未来を繋げるような原始的であり未来的でもある素晴らしい作品。 (日野)
わずか23歳にして制作されたGIOVANNI VENOSTAの初めてのアルバムOlympic Signals。それもほぼ自宅の4トラックレコーダーで作られたというのが驚き。文句の付け所の無い、既に洗練されたサウンドに脱帽です…。1985年にリリースされてから今回が初めてのリイシューとなり、これまであまり評価されていなかったのが不思議に思います。ピアノを基盤にシンセサイザーやテープ、管楽器などを使って作曲されていて、突拍子の無いアイディアから飛び出すフレーズや展開が素晴らしい。A2、A5やカバーアートでROBERTO MUSCIが参加。この作品も推薦となります!Track listからもどうぞ。 (日野)
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イタリアの建築家の顔も持つ現代音楽家リッカルド・シニガーリャ。CHEE CHIMIZUの17853 Recordsからの再発や、Black Sweat RecordsやこのSoaveも関連作品の最初が続きます。この作品は「Watertube Ringspiel (Ambient Music)」として1985年にADNからカセットテープでリリースされたもので、2014年にCDRで再発され、今回Soave初のバイナル化となります。Aサイド「Watertube」は、シンセサイザー、テープフィードバック、プリペアド・ピアノなどが使用されており、旋回するようなアンビエント・サウンドスケープ。Bサイド「Ringspiel」は、気まぐれに弾いたおもちゃのピアノのようなプリペアド・ピアノ、ギター、弦を弾き、ゆったりと旋回するアンビエンスのなか、メロディーがあり、メロディーは外されて、ランダムなパーカッションの音で幕を閉じる。心地良さや、哀愁とも、ダークさとも違う、独特の余韻を残す。 (サイトウ)